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古代エジプトのこと

古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め

死者の書125A(アニのパピルス)

遊戯王のカードにあるヒエログリフの説明分かりづらいな…この部分(aSAのトカゲ)他の死者の書でどうなってるか比較したらわかりやすいかも…と思って探したところ、
 他の125章で同じ単語が見当たらない!!どころか、なんか、文章自体違う感じがする…!?

 とおもって、T.G.Allenの英訳(1974)を見てみたところ、アニ版だけ125Aとして別訳が付いてました。
 そう、たぶんアニの死者の書だけ、違う内容なんですよね(いや他にもあるのかもだけど…代表みたいなもんかも。とりあえず自分はまだ他を見つけられてないです)(呪文を別ものとしていないのは、元のとすごく似ているからかなあ)。
 とりあえずアニ版125章(A)を(上記の訳を参考に)日本語にしてみました。
 気力があったら普通の125章も訳してみて、違いを調べてみたい…けど……できるかな…
 


© The Trustees of the British Museum(CC BY-NC-SA 4.0)
下のほうの図はシート29の右側です。リンクはシート30(上の図)。URLの最後の数字がシート番号です。

死者の書125章A
アニのパピルス:
EA10470,29,30
 (右から左へ読む。死者の書などの宗教文書はたいてい逆行書で、右向きなのに左から読むようになっていて、アニの死者の書も他の部分はそうなっているんですが…)

 a
 P1
r n aq r wsxt nt mAaty dwA wsir xnty imntt
マアティの広間へ入り、西方の筆頭者オシリスを称えるための呪文
 P2
Dd-mdw in Any mAa-xrw
アニ<声正しきもの>によって話される言葉
 S
ii.n=i aA r mAA nfrw=k a.wy=i m iAw n rn=k mAa
私はここへやってきた、あなたの美を見るために。あなたの真実の名に対して両腕を礼拝の形にして。
ii.n=i aA n xpr aS n mswt iSd qmAw sAtw isr
私はここへやってきた、(まだ)杉が生じず、イシェドが生まれずまた土がタマリスクを創りださなかったときに。
*ir aq r st StA
私が秘密の場所に入る*1ことについては、
iw mdwt=i Hna stS *xnm=i tkn im=i
私がセトと話すと、私は私に近づくものを*2喜ばせる?。
Hbs Hr=f *xrw Hr xt StAw
彼の顔を覆うもの、秘密の物の上に*3(視線が??)落ちるときに。
iw=f aq=f r pr wsir
彼はオシリスの家へと入る。
iw=f mA=f StAw nty im=f
その中にある秘密を見る。
iw DADAt nt sbxyt m Axw
正門にいる陪審員たちはアクである。

  b
 P
Dd-mdw in inpw n gs.fy 
アヌビスによって彼のそばにあるものへと話される言葉
 S1
xrw s iw m tA-mri
「エジプトからやってくる男の声がする。
iw=f rxw wAwt=n dmi=n
彼は知る、われわれの道を、われわれの住処を。
 Htpt.kwi sn=i sty=f m wa im=tn
私は了承している、彼の匂いをあなた方の中にあるものの一つとして嗅ぎとったために。
 S2
Dd=f n=i
彼は私に言う、
ink wsir Any mAa-xrw m Htp mAa-xrw
『私はオシリス・アニ、声正しきもの、無事に声正しき者。
ii.n=i aA r mAA nTrw aA 
私は大いなる神を見るためにここへやってきました。
anx=i m Htpt imyw kAw=sn
私を彼らのカーの中の供物によって生かしますように、
wn.n=i r *Drw bA-nb-Ddt
私がバーネブジェデトの*4境にいる?ために。
di=f pr=i m bnw r mdwt=i 
彼が私の呪文によってベヌ鳥の姿で私を出させますように、
wn.n=i m itrw
私がナイル川にいるときに。
 S3
wdn=i m snTr sSm=i m *Sndt n msw 
私は乳香を供え、子供たちに*5キルトの者として(?アカシアで?)教えますように、
wn.n=i m Abw m pr stt
私がアブウ(エレファンティネ)のサテト女神の家にいるときに。
iw smHy.n=i iAw n xftyw
私は敵の聖船を沈めました。
iw=i DA.kwi r S m nSmt 
私はネシュメト船(オシリスの聖船)で池を横切っています、
mAA.n=i saH km-wr
ケムウル(アトリビス)の高貴なもの(ミイラ)を見たあとで、
wn.n=i m Ddw sgrw.n=i
私が沈黙させたジェドゥ(ブシリス)にいるときに。
di n=i aHaw m rwdy.fy
私のためにその両足に助け手を置きますように。
 S4
wn.n=i m pr tpy-Dw=f 
私は「その山の上の者」の家にいます、
mAA.n=i xnty-sH-nTr
私が聖なる仮小屋の筆頭者を見たので。
iw=i aq.kwi r pr wsir 
私はオシリスの家に入っていきます、
kfA.n=i afnwt n nty im
その中にあるものの王の頭巾を取り去ったあとに。
iw=i aq=k r r-sTAw 
私はロスタウへ入ります、
mAA.n=i StAw nty im imn.n=i gm.n=i tS
私がその中にある秘密、私が隠していたもの、私が見つけた見捨てられた者を見たあとに。
iw=i hA=kwi r nArf 
私はナレフ(ヘラクレオポリス)に下っています、
Hbs.n=i nty im Hr HAw rdi.n=i antyw n Hmwt m Snw n rxyt
その中にいるものの裸の上に服を着せたあとに、私が庶民のあつまりの女たちへ没薬をあたえたあとに』と。
 S5
m=k swt Dd n wi nA
見よ、彼こそがこれを私に話す者であり、
Hr=f Dd=i n wn maxA.kwi m Hry-ib=n
それによって私が、われわれの中心でつり合っているべきだと言うものである」
  c
 S
Dd-mdw in Hm n inpw
アヌビス陛下によって話される言葉
*ir iw=k rx tw rn n sbA pn r Dd aSAw n=i
*6もしお前が、この門の名を知るならば、私にそれらをたくさん言うように」
Dd.n wsir sS Any mAa-xrw m Htp mAa-xrw pn
このオシリス・書記アニ<声正しき者、無事に声正しきもの>が言った。
xsr=k Sw-Ra r rn sbA pn
「『あなたは追い払うもの、シュー・ラー神』がこの門の名です」
Dd-mdw in Hm n inpw
アヌビス陛下によって話される言葉
ir iw=k rx tw rn n sDm xt Hry sDm xt Xry 
「もしお前が、上にあるものを隅々まで聞くもの、下にあるものを隅々まで聞くものの名を知るならば」
nb-mAat Hry-tp rwdy.fy
「『真理の主、彼の両足を支配するもの』(が下にあるものを隅々まで聞くものの名です)。
in rn n sDm xt Hry nb pHty Ts mnmnt
「上にあるものを隅々まで聞くものの名こそは、『力の主、家畜を指揮するもの』です」
tS ir=k tw=k rx.tw rx tw wsir sS Hsb Htpw-nTr n nTrw nbw wAst Any mAa-xrw nb imAx
「通れ。お前はそれを知っている。オシリス・書記、テーベのすべての神々の供物を計算するもの。アニ<声正しき者、尊厳の主>」。


1:irを「~について言えば」で訳したけど、T.G.Allenは「もし~」で訳していた。このへんよく分からないです…
2:xnm「息をする/匂う/良い香りがする/喜ばせる」…匂うかなと思ったんだけど…意味がよく分からない。
3:xrw「敵」かなあとも思ったけど…落ちるにしても、これで「視線」となるものなのか、なったとして意味はよく分からない…
4:Drwで「境、果て」、r-Drで「すべての」、とかなるっぽいけどどうともわからず…
5:Sndtで樹の決定詞なのでアカシアと思ったけど、SnDwt「キルト」で訳されてた…どのみち意味がよくわから…
6:iniw「~か?」みたいに訳されてたけど。でもirだし「もし~」かなあ…


***
 まだ主文と従属文の見分け方もよく分かってないのにやってます(笑)
 kと書くだけで状態形になってるやつとか、初めて気づいた(笑) うーんむずかしい。
 ナレフ二度目なんですけど全然気づかなくて変な訳をしてしまった…。あと最後のtSは文の切れ目と気づかなかった…。なるほどそういうことかー。それに最後の肩書初めて知ったかも…(調べた…)。

 なんだか神話的なほのめかしが入ってる感じしますよね??
 説明が欲しいなあ~~。
 a-Sの「私がセトと話すと~」のあたり、セトとオシリス(かホルス)との逸話になにか関係ありそう、なんだけど、よくわからん>< 何でセトを喜ばせるのか―?? (なんとなく、秘密のものへ落ちる、みたいなところが、オシリスが箱に入れられたあたりのエピソードっぽく感じたですが……うーん)
 b-S4の「私が隠していたもの、私が見つけた見捨てられた者」とか、何を指しているんでしょうか(ホルスかなーとかおもったけど)。
 c-Sの、特に最後のふたりの名前、「上にあるもの(たちを隅々まで)聞くもの」「下にある(ものたちを隅々まで)聞くもの」って、ラーとオシリスだよね。ネブマアトはそのまま、家畜はもちろん人間たちのこと。こういうのすき!このために訳を頑張った!(笑)
 しかし返答が略しすぎ。逆から答えてるし…。ここ区切りわかんなかった・・・。
 
 TGアレンの訳を参考にしたけど、もうちょっと古いだろうので
 今では違う訳を充てられてる可能性あるですよね…。どれだけ変わるか分からないですが…。

 あー説明!ほしい!!

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あやめ
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 古代エジプトについて趣味でいろいろ。
 ド素人が楽しくやってるだけのブログ。間違いもいっぱいあります。気付いたら直します。ご指摘感謝です。
 エジプト語読んでみる、とか書いてますが、ほとんどは訳を参考に、元の表現を確認しているだけ。文法がふわふわ。
 気が向いたときやるかも、みたいな。

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