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古代エジプトのこと

古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め

ナイル賛歌最後と門の書第6時の一部

つぶやきです。

 ナイル賛歌の最後のほうだけヒエログリフにして出してるものを見ちゃった。
 それで、いままでwADのあとのkAってあの両手を挙げてるヒエログリフだと思ってたのが、kとAで書かれてたのにびっくりして、PサリエとPアナスタシを確認したところ、
 実際どちらもk(取っ手付きかご)+A(ハゲワシ)だけで表現されてた!!
 ・・・だけでなく、
 どう見ても wAD kA のあとが pw(+A2)になってて


 私 wAD kA iw=k で覚えてたので「え、違うじゃん!しかも二つとも!?」となった。

 ヒエログリフに直したやつもiw=kになってるし、すごいいっぱいあるらしいからそれを見てみたい、と思って探したところ、
 やっと一つ見つけたんですよ。iwの辺りの「進んでる足」がたしかに見えるでしょ…。

"Hymn to the Inundation": Four Hieratic Ostraca
John L. Foster
https://www.jstor.org/stable/543856

 なんか、載ってた本には
 wAD kA pwとか意味わかんないから、こっちのほうが正しいと思う(間違えが多いので)。意味が通るし。・・・みたいに書いてあった。
 でも二つも同じように間違うか…?

 それにしてもkAをこの表記で、しかもうしろの決定詞がA2(口に手を当ててる男)っぽかったりすると、別の意味の単語の可能性もある…?
 それで、神話集成の解説に、まだ確定的ではないみたいなこと書いてたんだ…。

 wAD kA iw=kだと日本語訳とちょっとニュアンス違う感じ、と思っていたけど、
 wAD kA pwで訳してたのかも…

 うーん。奥が深すぎた…。
 
***

 最近入り浸ってるグループで
 『門の書』の第6時間目の英訳を見せてもらった。ホルヌンクのやつ。
 けっこうアムドゥアトとそんなに変わってない感じするけど、なんか思想が足されてるかな…。
 
 『門の書』と言えば前に、第4時の「時を生みそして飲み込む蛇sHrrt」を気になってやって(一部だけ…)、
 あの長ーい蛇とロープ持ってる行列の場面にも言及したことある、あれは第5時だったか。ロープは測量用らしい。出た、古代エジプトあるある「見た目の不思議さで深読みしちゃいそうだけど実はけっこう実質的なこと表現してる」やつや。

 でね、今回訳を読ませてもらった第6時。
 今まで特に気にしてなかったんだけど、訳を見て急に気になったのが
 全体図の右上にある、二本のロープがねじねじしながら口(喉に見えるが)から出てる図なのね。
 テーベ・マッピング・プロジェクトに画像提供しているAli Hassan氏の写真です。これの右上の図。

 この図の写真が見つけにくい。これは綺麗だし拡大できる、けど、枠が邪魔で一部見えない残念!
 弥呂久さんから出てる『神々と旅する冥界 後編』のやつが一番、文字もはっきり見える(しかしセティ一世のは綺麗だが一部剥がれているようで全部の文字が確認できず残念><)。

この場面の内容は、
nDr n=Tn  mann 
 (ラーのセリフ)「汝らのためマネン紐(二本がねじれてる紐)をつかめ。
Sd n=Tn m r aqn prt n wnwt=Tn  Ax=Tn r=Tn im=sn
 汝らのためアケン神の口の中から引っ張れ。それらから汝らを通して汝らのアクの時間が出てくるものを。
Htp wnwt r ssAw=Tn
 汝らの供えに対し時間が設定され
aq mann m r aqn
 マネン紐は(ふたたび)アケン神の口に入るであろう」

pr bw xpr wnnwt
 それが出てくると、時間が生じる。
di i ra Htp=s st=s
 ラーが呼べば、それはその場に設定される。
am xr r aqn mann
 アケン神の口にマネン紐はのみこまれる。

Dd? =sn n ra
 彼らがラー神に言うことには、
iw mann n(y) aqn wnnwt n(y) nTr aA
 「マネン紐はアケン神に属し、時間は大いなる神に属します。
Ax=k ra m Ssp 
 ラー神、あなたのアクは輝いています。
Htp=k XAt=k imnt xrt
 あなたの遺体、状態の秘密であるものは休んでいます」

Awt=sn m t Hnqt=sn Dsrt KbH=sn mw
彼らの贈り物はパン、彼らのビールはジェセレト、彼らの清めは水である。
iw wd.n=sn tpy tA m iry qAbw m mann
(供物を)捧げた地上のものは(誰でも)、マネン紐のコイルに関係するものになる。



ちょっと英訳を参考にしたけど怪しい訳(いつもの)…。

 とりあえず何が面白いかって
 ・「時間」が二重らせんみたいな形で表現されていること、
 ・そこから「アクになる」時間が割り当てられるということ、
 ・この時間がラー神に属するということ
以上の三つとその形状(見た目)から、すっごく「ネヘフの永遠」の時間じゃん、とか思ったです。
(そんでこの前の、スヘレレトの蛇はジェトの時間を表現するのかしらとか勝手に思った)(妄想が過ぎるいつもの)
 それでひとりでニヤニヤしてただけです…。
 全然違ったらすみません。つまんでるだけなので怪しい。


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あやめ
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 古代エジプトについて趣味でいろいろ。
 ド素人が楽しくやってるだけのブログ。間違いもいっぱいあります。気付いたら直します。ご指摘感謝です。
 エジプト語読んでみる、とか書いてますが、ほとんどは訳を参考に、元の表現を確認しているだけ。文法がふわふわ。
 気が向いたときやるかも、みたいな。

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