以前読んだ、
ジェドプタハイウエフアンクの神話パピルス…というかアムドゥアトパピルスの、
文章の並びがふつうじゃない件について。
こちらの記事↓の途中に説明が載っていたので紹介です
"The Amduat Papyri in the Museo Egizio. Tradition and Innovation Between the Twenty-first and Twenty-second Dynasties" by Enrico Pozzi 第21~22王朝に見られるこうした「アムドゥアトパピルス」などは、
こうやって順番がおかしくなっているものがまま見られるが、
「逆行筆記を逆に書き写すという、写字生の特定の習慣による」らしい。
P. Turin Cat. 1780, 11th Hour, Introduction, with reconstruction of the backward-copied original template.CC BY 4.0 どういうこと・・・????
よくわかんないですよね…。
そこで、ちょっと書字生のきもちになって、王墓のアムドゥアトの大事そうな文を写してみたんですよ。
それで、もしかしたら、と気づいたことがあります。
まずは王墓のアムドゥアトを見てみてください。こんな感じで↓(11時の始めです)
(トトメス3世王墓。KV34
Theban Mapping Progect)
全部ではないんですが、この部分は横書きになっていて、
しかも、隣接してる場面(別の文章)と、繋がって見えるんですよね。
ほんとは右と左の2つの文のまとまりになっています。(それぞれのまとまりごとに、左上から読みます。逆行書=絵⦅文字⦆が逆を向いてる)
これを、「最後から」つまり右下から、左上までを、縦書きに写してみますね。
ふたつの文章がつながって見えるので、こんなふうに、下の行を全部写してから、上の行にいきます。
この緑の矢印の順で。1(右下)から。縦書きで、「右下から上に」写していきます。
文章のまとまりを色で、文の区切りを番号で分けるとこうなりますが
これが、まあ、こんなかんじになります。
・・・どうでしょうか!
ジェドプタハイウエフアンクのパピルスで起こっていたのと、似たような感じになっていませんか⁉
はっきり、ここをこう写してこうなった!と言えればいいんですが、
元になったものが残っていないかもなので。それは難しいかも。
こうに違いない!とまでは言えませんが、
それっぽく再構築?できたので、ちょっと満足です^^
(ただ、後ろからやらんでもよくね?という結果になっちゃいました… もっとなにかあるのかも)
※王墓のアムドゥアト、けっこう縦書きが多いし、文章の区切りがちゃんと分かるものも多いので、王墓を写したって言われると「??」という気持ちになります。上の記事にあるように、別の、マスターピースと言えるものの文の書き方が、区切りが分かりづらい横書きだったのかなあとか想像しちゃいますね…。 あと、
こうやって写すくらいなら私でもできそうなので、
なんか、その「よく分かってない書字生」という存在に親近感がわきますね^^
いろんな書記がいたということですね…。ほっこりした。
(写してて分かるのが、自分の知ってる単語があるとちゃんと並べられるし、ここは区切らないといけないなというのもある程度は分かってないとこうはならないってことですね…でも、何が書いてあったかよくは分かってなかっただろうなあというかんじがしました、はい)