忍者ブログ

古代エジプトのこと

古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め

映画『ピラミッド5000年の嘘』のこと…

●映画『ピラミッド5000年の嘘』のこと

 ツイッターで情報が流れてくるので知りました。
 タイトルから、ちょっと嫌な予感はしてたんですが
 公式サイトに行って、予告編を見て、
 ああ、ニューエイジ系だな、ということはよく分かりました。

 公式サイトをリンクするのがちょっと躊躇われるので
 興味がある方は、検索してみてくださいね。

 古代エジプトファンとしては、
 毎度「古代エジプトを馬鹿にするなーー」と思わされる(笑)あれです。
 (↑こういう姿勢もどうなのか…笑)
 こういう類のものの主張はいつも
 「こんな凄いものを(古代エジプト人が)作れるはずがない」、から始まっているので(笑)。
 昔いくつか読んだことがあるので(何も分からず……って今も分かっちゃいませんが)、
 すごく懐かしいです。
 ピラミッドパワーとか黄金比とか、ピラミッドのこの部分の長さを何倍すると宇宙の神秘が分かるとか…
 最近は、スフィンクスの下に秘密の部屋があり、超古代文明の何かが隠されてる、とかよく聞きます……ザヒ博士がよく困ってました…。
 
 あれを今、改めてやるのかーと。

 見に行くつもりの方に、
 ひとつ、ご紹介したいブログ(レビュー)があります。

 ちょうどさっき
 エジプト考古学者のブログでそのことに触れられていたので
 (あ、日本人なので日本語です、大丈夫!)
 (というか監修を頼まれたとか……びっくりです)
 専門家の見方ってことで、勝手ながら、ご紹介させていただきたいなと。

Sites, Books, Photos, and My Philosophy  河江肖剰/Yukinori Kawae
http://www.blog-yukinorikawae.com/Yukis_blog/Top/entori/2012/2/2_piramiddo5000nianno_xu.html

  そこでは同僚であるエジプト学者達の意見が歪められ、紹介されていた。
 ・・・
 「(自分が)研究しているのは中身についてであって、作り方については研究していない」と語ると、「エジプト学者は作り方の研究を全くしてない」という紹介をした。

 ピラミッドを宇宙人が作った可能性もゼロではない。だがピラミッドに残された加工痕、周りに堆積した石灰岩の瓦礫やその中の土器片や動物体、ピラミッドの周りの複合建造物、そして彼らが住んだ「ピラミッド・タウン」などから判断すると古代エジプト人が作った可能性のほうが圧倒的に高い。


 抜粋なんかしたくないのですが
 (全部読まないと誤解されるかもっていうのが怖いので)
 私がとにかく、これなんだって思うところだけ。

 上の、事実の捻じ曲げは、
 やりそうなことですが、
 やっている、と意識しないとなかなか気づけないことですよね。

 そしてその下。
 「宇宙人が~」の部分は思い切ってかかれてますが、
 実際のところ、「100%とは言い切れない」というのが本当で。
 専門家もそれを認めていると思います。
 けれど、続けて書かれている通り、
 99%は、そうだろうという物証があるわけですよね。
 残り1%(もないかも)は、宇宙人に限らず、超古代文明も、何でも、当てはめようとすれば当てはめられるはずです。
 100%は分からない、だから反論はできない、というところを
 100%じゃない、だから違うだろう、とされてしまうのが、パターンですね……。
 あとは、言い方ですよね。

 建造物(ピラミッド)に、またはその周りに残された、
 人(古代エジプト人)の関わりを示すさまざまなものを無視して
 憶測でしか語られず
 その人物像も文明の様子も何一つ具体的でないものを引き合いに出されてるわけなので
 考古学者も、反論しようにも、同じ土俵に立ってない、という感じがしてしまうと思います。
 歴史の流れや、同時代のほかのもの、さまざま連続・比較してみるべきものを、そこだけ切り取って見てしまっている。
 故意かそうでないのか、こちらの説明に耳を貸してくれない(上記のような、逆説的な受け取り方ばかりする)。
 だから
 ザヒ・ハワス博士みたいに、「そんなものは、ない!」と言うしかなくなって、
 よけい反感を買う、憶測を呼ぶのかもしれませんね…。

 予告編にもありましたが、
 ピラミッド(ここではクフ王のもの)を作るのにかかった年、
 かかわった人数、また建設方法(第一ここが一番重要なのに、一番謎)さえ、
 専門家のなかでも、「これで間違いない」と言えるものがないのです。
 そうであろうと考えられている、程度で、よく聞くと「だけど、まだ詳しくは分かっていないんだ」ということになっているはずです。
 つまり、その数字や方法は、正しくは専門家にも「謎」で、
 こうなのでは、という、あちこちの数字をつなげたものを、一般の本では「一応」説明としてあげているのだと思います。
 それに対して、おかしいと突っ込みを入れ、更に
 「だから、専門家の言うことは信用ならない」と決め付けてしまうのは
 困ったことだなあと思いました…。

 毎度思うのは
 「どう考えても彼らには不可能だ」=「これは超古代文明(または宇宙人とか)の産物だ」
 という感じなんですけど、
 その、超古代文明とかでは、どのように作られたかの説明は全くしようとしないところが、面白いですよね…。
 専門家はどう見るかというと、
 可能、不可能を考える前に、
 物証を探しますよね。
 それがあれば、不可能に思えていても、事実そうであったと認めるしかない。
 そういうものだと、知ってるんですね。

 「エジプト学者たちは真実を隠している/事実を見て見ぬフリをする」
 という言葉は昔から使われていて、
 そうなのかなあ、なんて思ったこともあるのですが(笑)、
 何のことはない、専門家たちも、「謎であることを認めている」んですよね。作り方とか。年月とか。
 ただ、それを、だからといって何の証拠もない超古代に結び付けることをせず、よりつながりとして見えているものを検証しようとしているだけなんですよね。
 ただそういうのは、地道で、新しいことはなかなかでてこない。
 また、聞いていても専門的でよく分からず、取り上げられることもなくなって、
 私たちは、そういうことを、知らないだけなんですよね。

**

 エンターテイメントってことで楽しんだり
 今でも分からないことがいっぱいあるんだなあ、と思って見るのは、いいかもしれないですが、
 「エジプト学者はちゃんと研究してるのか」と思われるのだけは悲しいなと思います。
 それだけが、気になりました。

拍手[5回]

PR

コメント

1. 映画観ました。

エジプトを愛する者です。
初めてコメントをさせて頂きます事をお許し下さい。
小生、ピラミッドに心を奪われた者です。
「ピラミッド5000年の嘘」観ました。
正直な意見ですが、精度も石の積み方も、黄金比もΦも全て「偶然」では説明ができないと認めざるをえません。
しかし、本作品にはさらにもう一つ重要なメッセージがこめられています。
固定概念を捨てること これに尽きます。
エジプト考古学と、建築や物理学は違います。
ましてやこれだけ複雑な建造物となると、「目的」が無いわけが無い という結論にたどり着きます。
それらを隠蔽のごとく、正統派の方々が重箱の隅をつつくように否定をするのでしょうか?
エジプト考古学を学んだ自負、誰よりもエジプトの歴史を解読できていること。
事実は事実です。
理解不能な過去があったのであれば、それは現在も解明中であって、その根拠がピラミッドである。そう思っています。
建築とは、ましてや建築現場とは、そんなに生半可なところではありません。
1ミリ以下の精度を保つためのモチベーションはどこからくるのか?
これだけは言えると思います。
やはり、人類の歴史は一直線上に伸びていったものではない。ピラミッドのような正確無比なものを建築する歴史をどこかで忘れている。
これに対して、どのように思われますでしょうか?

2. 無題

こんにちは、コメントありがとうございます。

「固定観念を捨てる」。
 確かに、エジプト学でない考え方を示される機会があると、
 「○○学」というのがひとつの見方であり、どうしても偏りを持ってしまうこと、気づかないことがあること、
 それに、気づかされることもあると思います。
 記事内にも紹介させていただきました、現エジプト考古学者の河江さんも、
 こういった(ニューエイジ系の)考えは、いい刺激になる、と仰っています。
(まとめたものは下記URLでご覧になれます)
http://togetter.com/li/261341

 さて、内容についてですが、
 記事でも書かせていただいたとおり、黄金比等、どれも10年以上前に出てきた説で、
 これらについては以前から言われているとおり「答えありき」であって、科学的とはいえません。
 すなわち、「こうなのではないか」という仮説に基づいて、それにあてはまるものを探している方法なのですね。
 そうすれば、ピラミッドにもさまざまな数字が使われていますし、どれかをどうにかすればあてはまる、というのは、どんなものにも言えるのではないでしょうか。
 また、ピラミッドの数字などのデータは、今新しく計測し、データ公開されているところですが、
 この映画では、そういったデータを用いていないようです。
 もちろん、彼らが独自に調査することは、現エジプトでは不可能です(許可が下りません)。

 このように、現実に示されているデータなどの細かい「事実」を検討せず、仮説を証明するためだけのデータを示すやり方を、正しいと認めることができるでしょうか。
 考古学者の中には、確かに、頭の固い、定説だけを信じているような人もいるかもしれません。
 しかし、多くは、そうであってはならないと考えているでしょう。
 だからといって、「固定観念を捨てる」方法が、事実を無視するものであってはいけません。
 専門家は、私たちよりもずっと細かい、多くのデータを知っています。
(それらの多くは今、ネット上で素人にも閲覧可能な状態です。ただ、データが専門的ですので、私のような完全な素人には、それが何を意味するのか読み取ることも難しいですが…データの読み方は実際、とてもデリケートな問題ですよね)
 そのデータと照らし合わせて、筋が通らないとなれば、反論するのは当然のことではないでしょうか。
 新しい説でそれらに対抗するなら、
 そのようなデータに対する新しい解釈も示さなくては、説得力がありませんよね。

 ところで、
 考古学者は、ピラミッドに目的がないと考えているわけではないと思います。
 むしろ、当然、あると考えているでしょう。
 しかし、「目的から考える」のは、誤解も生みやすく、考古学的…いやもっと、科学的ではありません。
 考古学者は、ピラミッドそのものだけでなく、その周囲に残された、石を切り出す現場の様子、ピラミッド建設に携わった人々の暮らした場所の様子、さまざまな「現実的なつながり」から、徐々に、実際どのように建造されたか、なぜそうする必要があったか、を、あぶりだそうとしています。
 実証ありき、なんです。
 不可解なことがあるのは、考古学者たちも当然認めています。しかし、謎そのものにもやはり、理由があるはずで、
 それを、想像などで埋めるのでなく、実証していこうとしているのですね。
 なぜなら、そのほうが誤解が少ないからです。

 古代文明には、ピラミッドに限らず、
 私たちには理解できないさまざまなことがありますよね。
 それらが、どういった意味を持つのか、考えるのは楽しいですし、それは自由だと思います。
 しかし、「こうなのではないか」から物事を考えていくと、それに見合うデータばかり集めてしまい、それこそ、偏りがちです。
 それらはこじつけと同じで、多くの事実を取り落としてしまうのではないでしょうか。

 この人数で、この時間で、この道具で、できるわけがない。
 それこそが、固定観念ではないかと、思うのです。

 一ミリ以下の精度を保とうとして作られたのでしょうか、
 建造方法の結果、一ミリ以下の精度が保たれたものになったのでしょうか、
 それも、分かりませんね…。
 
 個人的な話をしますと
 私は、古代エジプト文明が好きですので
 先王朝時代から、さまざまな変化をみせながらヒエログリフを書き、死者を葬り墓を築き、固有の神を崇めてきたその文明が好きですので、
 ピラミッド、しかもギザのうちの一基だけ別だと言われるとどうも納得がいきません。
 それまでの流れをどう解釈したらいいのかという気持ちになります。
 
 以上、答えになっていなかったらすみません。

3. 無題

ご返信頂き、ありがとうございます。
もし手前共の勝手なコメントでお気分を悪くなされたのだとしたら、本当に申し訳ございません。
また、ご返信頂きました内容、とても興味深いものであり、納得をさせて頂きました。
 このような”ニューエイジ系”はおそらく20年前のあるトンデモ本から一般的に認知されてきたのだと思います。否定派も多く、逆に肯定派はそれ以降信者のごとく新書を求めるような、それほどの説得力?話術?を持った法論であったような気がします。
 「ピラミッド5000年の嘘」はその走りからさらに”ニューエイジ系”をますます肉付けをした作品であって、正統派?の皆さんへの最後の切り札として世に出した作品なのかな、と思います。
私は考古学の知識を持っているわけではなく、学んだ訳でも無く、かといって”ニューエイジ系”の発想に染められているわけでもありません。
 私は建設作業員として、実際建造物を建てる、据え付ける事を日々行っております。
例えば水平線を引き、ライン上にずれなく取り付ける配置する事を考えると、1ミリ以下の誤差を出さない方法が当時あったのかといわれるとそれはやはり困難であって、当時の建築機材、材料でれを行えたという意見こそが、それこそばかげているように思います。
毎度毎度ですが、石の積み方(積み方ではなく接合面)や、完璧な角度と東西南北(これは黄金比やφでは無いです)に関してはアナログ機器では不可能だと思います。実際完璧な精度を維持するということは、作業員の裁量によるものだと考えられます。当時の工具の限界を考えても、またあんな巨石を運ぶ=作業性の悪さ=限りない精度の低さに直結します。
 専門家的な意見はどうしても末端の作業環境や、現場の状況、環境を考えない節があります。
1ミリや水平を妥協無く完璧なまでに再現する事は辛いですよね。いくら公共事業であったといえど、人間ですから手を抜いちゃいますね・。
結論には至りませんね。
長々とご迷惑をおかけいたしました。

Re:無題

こんにちは、お返事ありがとうございます。
(前回はPCの不調できちんとしたコメント返信の形にできなかったこと、すみませんでした)

 あ、気分を悪くしたということはありません、言葉がきつく感じられましたら、すみませんでした。
 私自身も、少し前までニューエイジ系の思想というのがどういうものか、古代エジプト文明と呼ばれるものがどういう流れをもって変化してきたのかをあまり知りませんでしたので、こういう論法に簡単に「そうなのか~」と思わされるところがあり、実際、多くの日本人がそんな感じなのではないかと思っています…。
 その後、興味を持って調べてみた結果「なんだか、騙された感じ」が(無知だっただけですが)したもので、同じように思う人が増えないといいなあと、思ってしまって(笑)。
 私も、考古学を学んだわけではないので、難しいことは分かりません。
 LOSTさんは、建築関係を専門にされているのですね。
 正直、一ミリ以下の誤差がない、というのも、どんなデータが元になっているのか。私には分かりませんが…、
 専門家がそういうことについて全く考えていないことはないです。私は、残念ながら詳しい情報を持っていませんが(そもそもピラミッドの建築方法にあまり興味がないので)…すみません。
 
 映画は「ありえない」を前面に出していましたから、
 事実を知りたいということでしたら、専門的な文献にあたられることをお勧めします。(日本語で読める詳しいものはないかもしれませんが…『ピラミッド大百科』くらいなら少しは書いてあるかも…。著者マーク・レーナーはピラミッド研究で有名です)
 LOSTさんがどういったものを想定しているか、専門家の見解とどういう相違があるのかも、私には分からないので……お役に立てずすみません。

4. イウヌ在住

あんくmi-Ra!

Re:映画『ピラミッド5000年の嘘』について

こんにちは、コメントありがとうございます。
 いただいたお言葉について、一つ一つお返事させてください。

>あやめさんの最近の書き込みを見ていると、正統と言われているエジプト学者や考古学者たちに気を使いすぎているような気がします。

 そう思われましたか? 自分はそんなつもりはありませんでした。
 J.P.ウーダン氏の記事を載せているくらいですしね!

>どんなに評判の悪い映画であっても、もしあながこのような批判的なコメントを書くのであれば、実際にその映画を見て自分で確認した後で述べるべきだと思います。

 あ、これは申し訳ない。そうですよね。
 予告を見て思った通りのことを、内容を見た方がお話されたものですから、
 そういう中身なんだなと思っていました。
 しかし仰るとおりです。この部分についてはすみません。

>あなたは芸術家なのだから、自分の好きなように自由な発想で生きていけばいいのではないでしょうか。

 あはは、ありがとうございます。芸術家ではないですけども(笑)。
 発想は自由でいいのですが、事実は別だと考えます。

>たしか以前に削除したというアンクについての翻訳についても、それがニューエイジ系のトンデモな書き込みだと誰かに批判されてましたが、あなたはそれを訳したばかりの時には、「こういった内容の文章が訳していて一番面白かった。」みたいなコメントも残していましたよね。

 自分の知らないことを知識として(それも明確に)得られることは、多くの人にとって喜びとなるのではないでしょうか。
 しかし、私もよく抜け落ちるのですが、新しい知識と言うのはそう容易に示されるものではないですよね。
 知らないことが大変多いもので、あの記事の内容は「既にそうであると様々なものから証明されている事実」であると勘違いしてしまいました。
 事実だとしたら、やはり、新しいことを知れると嬉しいです。
 しかしああいう記事の場合の問題点は、「証明されておらず、ほとんど憶測である」ということですね…。
 一番の問題は、私がそういったことの「違い」を知ることがなかったこと、裏づけを取る習慣がついていないことだと思います。
 
 信じるなら、可能性の高いものをと考えています。
 可能性があれば1%でも90%でも同じと思っていないのです。
 結果として事実が1%寄りだとしても、証明されるまでは信じないと思うし、その考えでいいかなと思って生きています。
 1%を信じたい人も大勢いると思います、
 それはかまいませんが、科学的ではないというのはそういうことですよね。
 科学は、絶対に正しいわけではないので。可能性の証明の仕方の問題なので。
 こういった考えが、以前の私には抜け落ちていましたので
 今の私がエジプト学者に「気をつかっている」と感じられるのでしたら、そういう部分ではないかと思います。
 気を遣うというか、そういう考えのほうが納得しやすくなっているだけなのです。すると自然に、そういった考えを紹介することが多くなります。
 といっても、結局は自分の感覚でしか記事を選んでいませんが。

 この記事の内容について
 何を批判しているかがなかなか通じていないのだと言うことは良くわかりました。
 文章が拙く申し訳ないです。
 できれば映画の内容を具体的に示して、どのような指摘について問題があると思われたか教えていただきたく思います。

****
※コメントを全部編集されたようです。

5. 私も観ました

初めまして私もピラミッドやストーンヘンジ等々大好きな者です。

私はまだ解明されて無いだけで宇宙人伝々などはありえないし今後どれだけ謎が出て来てもそういった類のものは考える必要は無いしありえないと言い切れます笑
ただずっと解明出来ない場合もあるとは思いますが。

ピラミッドの話ではないのですが、少し前に奈良の国宝唐招提寺金堂の解体修復工事を2時間番組で10本ぐらいやってて全て観ました。

それは金堂や大仏を全て解体し出来るだけ古代の造り方で10年掛けて修復していく作業です。(2009年に修了)

やはりそこでもひとつひとつが謎です(笑)。例えば瓦ひとつとっても現代の最新機器で調べても成分は分かっても1200年持つ瓦の造り方(焼き入れ、どこの土か?配合など)全く分からないそうで、今の達人的職人さんでも巨大な首尾など100年持たないそうです。

それは釘でも同じで造り方は分からないが1200年前の釘が今でも十分使える物がたくさんあります。
建物でも現代の建物ではビルでなくても頑丈に建てる場合先ず鉄筋コンクリートが当たり前ですが、金堂では主要な部分では釘を一切使用せず逆に固定しない造り方です。
特にコンマ数ミリの隙間があるのは最初なぜか分からなかったのですが多分地震対策だろうというのが分かってきましたが、それは現代コンピューターを駆使しても図面化出来ないそうです。

鉄筋コンクリートなんか持って100年ぐらいで、ほとんど鉄が錆びるので数十年とききます。そう考えたら古代人が建てた建造物ってロマンを感じます。だからといって宇宙人が建てたとかって発想にはなりませんが。

興味深かったのが唐招提寺金堂ではいくつかの時代で修復工事が行われているのですが、鎌倉時代に行われた修復工事が何とか天平の時代の技術がありましたが、それ以降の修復では全く技術が無く江戸や明治の修復では取り返しのつかない修復が行われました。

イメージでは江戸の大工とか凄い技術がありそうですがそう考えると天平の時代の技術が頂点とすればそこからは全く発達していないどころか失われて行ったことになりますね。

やはり人間の脳って文明が発達すればそういう技術は退化していくっていうのが分かります。

Re:私も観ました

コメントありがとうございます。
 自分も専門的なことは分かりませんが、
 仰るとおり、
 失われて取り戻せず、いまや想像も出来なくなった技術というのは、たくさんあるのでしょうね…。
 技術だけでなく、そうするに至った理由など、人の考えも、記されなければそのまま失われるものが多いですものね。
 そして、そうしたものこそが、「謎」なのですよね。

 自分は、古代エジプトの「手袋」の編み方が、現代では全く想像できない編み方だった、という話をどこかで聞いて、
 初めて、「ロスト・テクノロジーって、こういうことなのだ」と、思いました…。
 素人が想像するような、例えば船が空を飛んじゃうとか、そういう類のものではなくて、
 もっと、見た目には地味な、けれど「専門家」をうならせるようなことなのだろうな、と。
 実際には、「他の技術に取って代わられた」ものなのだろうな、と、そんな気がしますね…。

6. 無題

遅くなりましたが返信ありがとうございます。
またとっくに終わってる話題ですみません(泣)
何故か今私の友達仲間で盛り上がってるものですから・・・

私も最初の予告編でどれだけ解明してくれるのだろうとワクワクして観てたんですが、結局映画では何も解明出来なかったどころか途中から黄金比やфって笑
またエジプト学者達を誘導尋問しバカにした内容も楽しめませんでした。(映画としては面白いのかもしれませんが)

だいぶ前ですがどこかの自称研究科による旧石器捏造事件があり、いろいろとんでもない旧石器が出ましたが、無土器の時代に色彩を帯びた石器が出土し自慢げに『当時の文化は私達が考えてる以上に発達していた事が証明されました』と言ってたのを覚えてます。

しかし、まともな考古学者は当初からそれはありえないと。もしそんな事がありえるなら江戸時代にコンピューターが使われていた事と同じ事になってしまうと笑。

そういったありえない事はどれだけ謎が出て来ても、またこれから何百年経っても変わる事のない絶対的なものですね。
「固定観念を捨てる」事と黄金比やфなどは全くトンチンカンな話で、古代人のロマンも何も無くなっちゃいます。

私も見た目には地味な、けれど専門家をうならせる技術だと思います。それがもの凄い技術なんだと思います。私達が考える以上だったり、全く違う発想の技術だったりするのだと思います。

スペースシャトルの先端部分の精度は機械でも出せないので日本の下町工場の職人さんが造ってると以前テレビでやってました。
古代人の生活環境なんかは分かりませんが、大した娯楽も無く一つの事だけに人生を掛けていたり、それが何代も続いてたりしたらもの凄いパワーになるのかなと思ったりしています。

Re:無題

ご友人の間で盛り上がっていらっしゃるのですね!
 自分、説明下手で…感覚で捉えてしまっているかもしれません。
 天平さんのご説明、すごく分かりやすく、説得力を感じます。
 私が言いたかったのは、まさに、それだ、と…。

 この映画で一番不快なのはやはり
 「エジプト学者達を誘導尋問しバカにした」
 この部分ですね……。

 権威というものに安住し驕る人もいるかもしれませんが、
 研究者の多くは、現地から膨大な情報をかき集め、歴史や文化の流れを考慮したうえで意見を交わし、「最も妥当な流れ」を定説としているのに、
 「定説」というだけで「新しいものを取り入れる気がない」と噛み付く、というやり方があまりにも……。
 定説には根拠があるのだ、ということを、私たちはもうちょっと知らなくては、と思います。
 それを全部理解してもらえるように説明するのは大変、それくらいたくさんの情報をもとに出来ているのだ、ということを。
 そして、
 文化や歴史の情報は「流れ」で見ないといけないのだ、ということも。
 ピラミッドひとつ取り出して見てしまうと、どうしても見方が偏ってしまうから…。
 日本の石器の捏造問題も、流れで見るとまさに「あり得ない」ものだったのでしょうね…。

>「固定観念を捨てる」事と黄金比やфなどは全くトンチンカンな話で、古代人のロマンも何も無くなっちゃいます。

 そうですよね…! 「作り手」の存在をちょっと無視していますよね…。

>古代人の生活環境なんかは分かりませんが、大した娯楽も無く一つの事だけに人生を掛けていたり、それが何代も続いてたりしたらもの凄いパワーになるのかなと思ったりしています。

 そういうところはかなりあると思います…!
 古代エジプトの歴史の中でも、先史時代から作られ技術がかなり高かった石の加工が、銅を使うようになってから衰えたという話を聞いたことがあります。
 それしかなく、ずっとやり続け、必然性があったからこそ編み出されることって、必ずありますよね!
 そういうものに、私たち現代人は驚き、「古代人のすごさ」を知るのかなって、そう思います。 

 分かりやすいたとえでお話してくださりありがとうございました、
 私自身も、勉強になりました…!

7. 無題

そうですね…私も観ましたが。純粋な古王国ロマンをどこかコケにしている様な点があると、いかにも戯言系オカルトドキュメント的印象が否めない。かといって宇宙人説や宗教的な類いはstop!
え~…と、中途半端ですね。私一般人にとってもどちらか真面目に切り込んで欲しかっです。
私個人的には20年費やしたのは実は化粧石と棺桶だけで、実は古王国より以前からあったのではとか…そんな切り口なら斬新さも感じれたのに。

Re:無題

こんにちは!
 そうなんですよね「コケにしてる」感じが一番良くないというか…。
 仰るとおり、なにか説を取って、それを追究してみるって言うのなら、まだ分かるのですが、
 今考えられているものを「無理だろう、という勝手な主観で」否定して否定して、ではどうなのかという検証がほとんどなされない、というのは、ちょっと、いい気持ちはしないですよね…。

プロフィール

HN:
あやめ
自己紹介:
 古代エジプトについて趣味でいろいろ。
 ド素人が楽しくやってるだけのブログ。間違いもいっぱいあります。気付いたら直します。ご指摘感謝です。
 エジプト語読んでみる、とか書いてますが、ほとんどは訳を参考に、元の表現を確認しているだけ。文法がふわふわ。
 気が向いたときやるかも、みたいな。

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最新コメント

[07/23 匿名希望]
[07/23 しょうもな]
[05/27 ぱああん]
[07/16 匿名希望]
[01/16 天平]

P R

アクセス解析