18王朝、アメンヘテプ2世ごろのものと言われるtwi(女性?)の死者の書
© The Trustees of the British Museum CC BY-NC-SA 4.0
この左右のパピルスは繋がっていたはずなんですが、ちょうど繋ぎの部分に描かれてた挿絵が破れてしまっていますね。
で、左の画像の右端、挿絵に向かって書かれる文章、108章(アポピスがラーを襲い、セトに追い払われる内容)です。章タイトルは『西方のバーを知ることの呪文』。
ブログ内で過去に紹介しました。
108章の冒頭には、
「バアクウという山があり(そのてっぺんにアポピスがいる)、そのふもとには、紅玉髄(カーネリアン)でできたソベク(ワニの神)の神殿がある」
という説明があります。
左の図の、右端、ちょうど破れちゃってる挿絵の部分を見てみましょう。
 | 下のほう。 赤い建物に、ワニが描かれてますよね。 |
そして反対側、右側のパピルスの左端をみると、
 | セト神が船の舳先に立ち、 下にいる大きな蛇に対して何かしてます。 (文章では、槍を突き出してるような事を書いてますが、 挿絵は、ロープ持ってるっぽいかな) (あるいは、槍も持ってるかもしれませんが) (蛇の上にはnik=邪悪な蛇、と書かれています) |
いやもうこれ108章の挿絵でしょう。
108章の挿絵って、基本的にタイトル通り「西方のバーたち(ハトホル、ソベク、アトゥム)」の3神が描かれ、たまに礼拝の姿をとってる死者が加わっているものがほとんどなのですが(このパピルスも、108章が書かれている文の上部に3神の姿が見えます)、
内容を劇的に描いているのって、後代のものか私は知らなくて。こんなに早くからあったんだ、みたいな。
たとえば、21王朝のものといわれる、ヘリトウベクトの神話パピルス(Cairo89)。
多分いちばん有名なやつ。というかこれしか知らなかった。

@ushabtis.com
あと昨日見つけた、ネスパウルシェフィトの棺に描かれたこれ。(E.1.1822)
©The Fitzwilliam Museum, Cambridgeこれはセトではなくホルスがやってますが。
とにかく、けっこう有名な図だけど、実際にはあまりたくさんは見ないやつです。
どちらも21王朝のみたいですが、この図がもっと前の死者の書ができ始めたころに既にあったというのがすごい。でも失われててつらい・・・。ざんねんすぎる
さてそれから、この右側のパピルスのほう見てると、赤字で「アポピス」てすごい書いてあるので、内容が気になっちゃって。
調べると『39章・レレクを追い払う章』みたい。
でもここにはレレクとは書いてなくて全部アポピス。でもまあレレクって書いてるやつもはじめだけみたいなので同じやつでしょう。かなりかぶってるし。
かなりかぶってるんだけど、他のと見比べてみてもけっこう違ってるところがあって戸惑ってしまった。
とりあえずいろいろ参考にしながらやってみたので
メモしておきます。
別記事で!!!