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●コリンズの洞穴論争
http://drhawass.com/blog/collins-cave-controversy

***

 ギザ台地地下の、いわゆる「洞穴システム」発見について、ネット上でストーリーが表面化しているようなので、その記録を正したいと思います。

 この物語は、
 考古学的背景を持たない人々が、どのようにしてネットやメディアを使って見出しを報じるかを示しています。
 不幸なことに、主題の歴史的知識をもたずに主張すると、民衆に誤解を与えてしまうでしょう。たとえば、ギザのピラミッドやスフィンクスについての歴史を知らない人は、あれはきっと失われた文明のものなのに、エジプトの考古学者は反証するのだ、と考えるでしょう。
 私が、ギザでの新しい発見に関するこれらのストーリーを見たとき、これは誤解であると知りました。記事には、トンネルと洞穴の巨大なシステムが見つかっているとありました。しかしながら、この地域には地下洞穴複合体などないのです。

 ギザには、あらゆる時期につくられた多くのモニュメント(多すぎて一般の訪問者は気づかず通り過ぎている)についての活動の証拠が、何千年分もあります。
 この地域の詳細を知るのに、エジプト学者は何年も研究を重ね、一般的にはあまり知られていないエリアについてはまだ研究が続いています。ギザは、エジプトで最もよく研究されている地域ひとつです。そこは自分を含む多くの学者によって研究されており、多くの学者によって写像され、記録されました。
 これから引き続き行われる科学的調査で、新しい発見があるかもしれませんが、最近の研究については、この地域のすべてを知っています。

 研究者たちはエジプトのそれぞれの地域について参考にできるような多くの資料と、そこからの発見物を持っています。たとえば、一般にポーターとモスとして知られる本Porter and Mossポーターアンドモス):A Topographical Bibliography of Ancient Egyptian Hieroglyphic Texts, Reliefs and Paintings(エジプトのヒエログリフのテキストやレリーフ、壁画についての地形上の文献)はエジプト全地域の情報を含み、ギザについてももちろん、そこで何が見つかっているかを知らせます。
 この文献を参考にすれば、この「洞穴」がヘンリー・ソルトによって1816~1817年のうちに見つけられ、開かれた掘り出し墓であると分かるでしょう。
 ソルトは考古学者ではなく、エジプトの英国領事で、ジョバンニ・Cavigliaと共にこの墓を発見しました。彼らがそれを調査したとき、彼らはそれをカタコンベと呼びました。というのは、それがいくつかのトンネルと、深く掘り下げられた通路を含んでいたからです。この洞穴に入った人は皆、多数のトンネル(35m以上あるらしい)のために迷路の道であるように感じるでしょう。
 ヘンリー・ソルトとCavigliaは、それがグレコ・ローマン期から知られるカタコンベに構造が似ていることに気づきました。
 数年後、ハワード・ヴァイスとジョンShae Perringが掘り出し墓を調査しに来ました。私の職場であるSCAでも、つい最近、再調査したところです。

 アンドリュー・コリンズとナイジェル・スキナー=シンプソンは、エジプトにこの墓を再発見するためにやってきました。そこはほぼ2世紀も前に発見され、多くの学者によって調査し報告されてきたというのに、彼らはその墓を完全に調査する第一人者になろうと考えたのです。
 この切り出し墓は、私の西の発掘場から約150mのところにあり、北から南へとのび、北側に入り口があります。約3.2mの高さで、入り口は南のフロント・ホールへと、さかさまのT字型にのびています。そこから、二つのホールが見えていて、ひとつは右に、もうひとつは左にあります。
 左側は、岩を掘って造られた大きな部屋に続き、約6mの長さです。天井にラテン語の銘が残っており、この墓がその時期を通して開かれていたことを示します。
 右側には、岩をくりぬいて作った別の、四角い広間があります。そこから下に、砂に満たされた通路がのび、陶器の破片や骨、他の人工物を含みます。
 主要な通路から岩を掘って作った別の通路がりますが、これらは短いトンネルです。

 壁に塗られた石膏プラスターと現代の破片の発見により、この墓には最近入られていたことが明らかに示されています。また、部屋のひとつから最近の照明が発見されています。さらに、この墓は1910年代から1920年代にかけてジョージ・ライスナーの発掘中の貯蔵庫として使用されています。

 公式な報告に基づく私の学術的主張は、
 これがグレコ・ローマン期に掘られたカタコンベで、聖獣などを埋葬したものらしいということです。それはサッカラとトゥナ・エル・ガベルにあるカタコンベと似ています。
 このような、聖獣の埋葬はエジプト学の文献でもよく知られており、それは神へ捧げる目的で作られたもので、ネットを巡っているような、失われた文明や他の非科学的なものとは関係ありません。

 ギザにある墓についてもっと学びたいと思った人は、学術的な資料……たとえば私自身などの学者が出版している本を参考にし、サポートされていないネットのアカウントなどに依存しないでほしいと思います。

****

 まえにあった「ギザ大地の下に巨大ネクロポリス」みたいなやつについてですね。
 詳しく説明してくださったので、なんとなく分かったような気がします……。

 ポーターとモスってなんだろう……訳を間違っているかも……。
 と思っていたら、以下のようなコメントを頂ました。
 西村先生、ありがとうございました!

コリンズの洞穴論争の記事について、
「著者がBertha Porter and Rosalind L. B. Mossなので、ポーターアンドモスと
呼ばれています。全8巻のものすごい参考図書です。エジプト学徒必携の書の一つ
です。詳しくは、下記のURLをご覧下さい。

http://www.griffith.ox.ac.uk/gri/3.html
http://ejibon.blogspot.com/2009/03/porter-and-moss-pm-8-vols.html
 



***

関連記事
・ギザ台地の地下洞窟?
 http://siryoumemo.blog.shinobi.jp/Entry/118/

 

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あやめゆうき
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心はイウヌ在住。ラー神信者。

 古代エジプトについて趣味で勉強中。
 正式にはまったく学んだことのない、完全な素人です(笑)。
 リンク先のブログ等をチェックし、好みで記事を選んでます……。
 突込みなどは、喜んでお受けします。勉強になります。

※相互リンクはエジプト関連のみ受け付けます。
 連絡はコメント欄でお願いします!
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