久しぶりにw
2012年に大英博物館の古代エジプト展が開かれましたが
目玉は全長37m(最長)の死者の書、グリーンフィールドパピルスでしたよね。
《
このブログで展覧会の感想を書いた記事はこちら》
そして、この死者の書の中に、
メジェドが描かれていたために、
なんかすごい人気になっちゃったわけです。
が…、
あの死者の書の中に、
「メジェド」の名前とその性質の書かれた文(絵ではなく)が、入っているのかなーって、あるなら見つけたいなーって、思ってたんですよ。
でも、ほら、
ヒエラティックじゃないですか。
ヒエログリフより難易度高い(文字の判別がなかなかつかないw)!
だからざっと見ては諦める、の、繰り返し、だったん、です、
……が。
ついに
見つけたよーっていう。ww
そう、あったんですよ、ちゃんと、文がw
エジプト展の図録でいう、p006
ネシタネベトイシェルウの死者の書、図74(右側)下の行から、図75(左側)一番上の行にかけて。
赤線をひいた部分が「メジェド」。右から左に読む。
●抜粋と、ヒエログリフ転写
(2022.6.30修正。うーんどうだろ)
●翻字(右から左のものを左から右に書き直してます)
Hr-ntt tw=i rx sw, rx.k(t?)wi rn n
[MaDd
] pwy imy=sn m pr Wsir stt m irt=f nn mA.n.tw=f pXr-
w n=f pt m nsrt n r=f smyw Hapw nn mA.n.tw=f
●訳
なぜなら私はそれを知るからだ。私は知っている、オシリスの家にいる彼らの中にある、そのメジェドの名前を。
その目で射つ者、彼は見られることなし。その口に火をもって天をめぐる者。増水の到来を報告する者、彼は見られることなし。
・・・ちょっと怪しいとこもありつつですが…。
↓メジェドの文があるその他の死者の書
●ヌウ(18王朝)
●ネブセニィ(18)
●ユウヤ(18)
●カーとメリト(18)
英訳はここを参考に
(
Allen Part b, Section 1の一番下の3行がメジェドの一文です)
http://www.ucl.ac.uk/museums-static/digitalegypt/literature/religious/bd17.html
細かな違いはあれ、だいたい同じです。(この英訳も、いろんなバージョンをあつめてるそうですし、まったく同じにはなってないです)
火、の単語の部分とか違って、hh「火の息」だったり、単にnsrt「火」だったり。
同じ字を使ってますがdbnとpXrとか。でもこれ意味は同じっぽい…。
あ、アニのパピルスには載ってない様子ですよ。メジェドの文。
今気づいたんですが、いくつか「それら(彼ら、汝ら)の名前を知っている」と複数形ですね。メジェド「撃つ者」は複数いたのかも?
他にも、フウネフェル(19王朝)のを見ると、
似たような文だけどちょっと違う、メジェドとは書いてないものがありました。
Hr-ntt pXr pt m nsrt st
rx.kwi rn nw=sn
iw=i tA xr Ra imw.T=sn n pr wsir
i-stw m irt=f nn mA.n=twf Hryw xAt(?)=sn r=f
smi Hapy nn mA.tw=f
かな…。
なんか抜粋が文の途中からかも、すこしだけ前にあるかも。
nn hAy r=k tw(A?)t
・・・これもほぼ全部同じなので、ここから抜き出すのが正解だったのかな(汗)。でもtw(A)tがなにかわからん。
その前は故人の名前になっている様子。です。