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●スフィンクスの話2
http://drhawass.com/blog/story-sphinx

 続きです。こっちのほうが面白いかな。「謎編」。

***

 Nova film と議論した第二のプロジェクトは、地下水の上昇からスフィンクスを保護する効果でした。
 一年前、我々は水位の上昇(それはカフラーの谷の神殿のまえの地表にまで現れていました)がスフィンクスへダメージを与えるのを防ぐため、行動を起こすことを決めました。
 我々はすぐに、像の真ん前に――北側の中間部分に沿った一つと、後方に二つ――小さな穴を開けました。どの穴も20メートルの深さです。
 そうして、地下水(当初考えたような、生活排水ではなく、純水)の水位が像の下4.5メートルにまで達していることを知りました。それは差し迫った脅威ではありませんが、長い時間かけて形成されたものでした。
 カイロ大学の環境および考古学技術センターの協力で地下水位を下げるためのポンプを設置し、いまスフィンクスは危機から免れています。われわれは現在、この地域一帯の地下水の影響を調査し、将来的にそれと戦うために戦略を発展させるためのメインプロジェクトにむけ、USAIDと共に調査、情報収集しています。

 おそらく、地下水プロジェクトにおける最も重要な結果は、「古代文明」によってあけられた、謎めいた地下のトンネルと部屋についての推測を休止させることができたことです。
 数年の間、ジョン・アンソニー・ウエストやロバート・ボーヴァル、そしてグラハム・ハンコックのような人々と討論してきました。彼らは10000年前に失われた文明の生存者が、スフィンクスの下に秘密を隠していると主張していました。
 彼らはまた、スフィンクスの侵食は水によって起こされており、それは古王国時代よりずっと昔にさかのぼることを必然的に意味するのだと主張しました。
 彼らの理論はどんな事実にも基づいていません。しかし、彼らの支持者たちはそれらの隠された部屋を探すために穴をあけさせることを要求します。
 私たちは過去、そのようなプロジェクトを拒んできました。なぜなら、それらには科学的根拠がないからです。
 しかしながら、スフィンクスを地下水から保護するプロジェクトに必要だったために、われわれは最終的に像の近くに穴を開けました。そして、そこには隠された通路や部屋などどこにもなかったのです。
 スフィンクスは確かに文明の「守護者」であり過去の記録そのものです。しかしそれは、スフィンクスが作られたエジプトの古王国時代の文明です。

 我々がNova filmのために議論した撮影上の三つ目の重要なプロジェクトは、
 ムバラクWalae Shita博士の下の科学技術研究所によって実行された、スフィンクスのレーザースキャンです。
 この奮闘はすべての石材ひとつひとつを示し、初めて三次元に彫像を記録して、スフィンクスを美しく正確に演出することができしました。
 このスキャン調査は将来、スフィンクスの保存および復旧を促進しようとする誰もにとって重要な案内となるでしょう。

 撮影二日目はとても興味深いものでした。
 我々はこのスフィンクスが、あの大ピラミッドを建設したクフ王の治世に作られたか、それともギザの第二ピラミッドを建設したカフラーによるものなのかについて議論しました。
 ライナー・シュターデルマンは、スフィンクスがクフ王の治世に建設されたという理論の主要提唱者であり、
 一方マーク・レーナーと私はカフラーの治世に建設されたと信じています。
 シュターデルマンは、彼の説を支持するものとして、夢のステラにカフラーの名が出ることはしばしば注目されるが、これ(ステラ)は単に部分的に保護されたものを復元したテキストであり、事実、今となっては読むことは不可能である、と述べます。
 彼は、スフィンクスの溝のすぐ北にある王の神殿から発見された、ギザのアメンヘテプ二世のステラには、明らかにクフ王とカフラー王の聖域に言及しているといいます。また、スフィンクスの新王国時代における名称がホルエムアケト「地平線にあるホルス神」であると指摘し、クフ王のピラミッドの名前「クフの地平線」とのつな
がりを示唆します。
 加えて、彼はカフラーの河岸神殿と参道はスフィンクスを避けるように南に位置しており、これはクフの治世の間にすでにこの像が立っていたという意味をなすと述べます。
 シュターデルマンはまた、スフィンクスの顔はカフラーよりもクフに似ているといいます。しかしながら、クフ王の3Dで表現された立体像としては唯一、小さな象牙の彫像しか知られていません。小さな彫像の顔を巨大なスフィンクスの顔と比べてみるのは非常に難しく、どんな場合でも、学者は顔はクフよりカフラーの方に似ているといいます。
 シュターデルマンはさらにスフィンクスのあごひげ(古代に像から落ちてしまった)は新王国時代につけられたものであり、元の像はひげがない――クフ王の象牙小像およびブルックリンやミュンヘンにあるこの王を表していると思われる頭部像のように――と信じています。そのため彼は、常に王の付け髭と共に表されていたカフラー王ではありえないといいます。
 しかし、マーク・レーナーはもとからスフィンクスには付け髭があったことを示しました。
 スフィンクス――それはおそらくいままでエジプトで単一の岩から削り出された物の中でもっとも大きな像――の建造時期を、小さな象牙の像の特徴に基づいて特定することはできません。
 どの王がこの像の建造命令を出したのかを知るため、我々は建築学的環境を含む全面的な考古学的状況を見ていかなければなりません。
 スフィンクスがカフラー王の治世に造られたとする最良の証拠は考古学と建築学に基づいています。スフィンクスの位置と、この神殿とカフラーの河岸神殿が建築学的に類似しているという点が、この像がカフラー王の治世に位置づけられると思わせます。加えて、神殿はどちらも同じ大地に建っており、いくつかの壁が同じ列に並べられています。
 drafinage?溝がカフラーの参道の北側を沿ってスフィンクス堀に開かれていることは、スフィンクスが参道建設の後に刻まれたように思わせます。というのは、古代の技術者が堀に水を流しいれるための溝を設計しなかったように思われるからです。
 これらの事実はカフラー王の治世に作られていたことを示します。

 我々がスフィンクスの建造時期について議論したその日に、私はこの像の多くの特徴を示すために像のてっぺんにのぼりました。
 私はそれがある場所、ネメス頭巾の一部に見える頭の後ろへ行きました。そこで、スフィンクスの下には10000年前の文明が残した謎めいたトンネルや部屋はないけれども、像の下には事実、おそらくスフィンクスが造られてからずっと後になってトレジャーハンターたちが掘ったもので、後に埋葬に使われた、いくつかの通路があることを指摘しました。我々のスフィンクスに関する調査は、その内側または下に4つの穴があけられていることを確認しました。
 一つ目は、スフィンクスの頭の後ろのてっぺんから始まり、8.10m下ります。これは1937年にハワード・ヴァイスのギザでの調査で開けられました。
 二つ目の通路はもう残っていませんが、文書保管所の写真上に穴か洞窟のようなものとして写っています。この穴はスフィンクスの体の北側の地面にあり、20世紀のはじめにエミール・バレイズによって塞がれました。
 我々は三つ目の通路とシャフトを、スフィンクスの臀部(尻)の北側、ちょうど後部の基礎に当たる部分で発見しました。この特徴は、早期の復旧用の石材の真下の別のセクションと共に、臀部のカーブの上の硬いメンバー1の基盤を地下4mほど掘り下げました。
 私はノヴァの撮影中にこの通路に入りました。これはグレコ・ローマン期かそれより後に掘られた未完成の墓の竪穴か、もっと早い時代のものかもしれませんが、その建造時期や機能は不確かなままです。
 最後の通路は、夢の碑文の後ろ、スフィンクスの胸の下にあり、19世紀のはじめ、Cavigliaによって、スフィンクスの近くでの作業の結果、発見されました。

 撮影三日目、マーク・レーナーと私が30年前どのようにして出会い、どのようにして、スフィンクスの北東を調査しはじめてから共に働き、友情を育んだかについてを話しました。
 我々は、スフィンクスが古王国を含め新王国そしてローマ時代にまで目撃されていたという、異なる時代の証拠を発見しました。
 我々は数十年の間、この驚くべき記念物を理解するため共に働いてきました。そして私は、二人が共にこの物語を伝えることができてとても幸せです。それはまるで、スフィンクスの前で出会った少年たちがが友達になり、成長して共にその秘密を明らかにしようとしているかのようです。

****

 いやー。ザヒ博士って、お話が大好きなんですね。
 考古学者ってみんなそうなのかな? 必ずこう、物語風にまとめますよね。
 

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あやめゆうき
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自己紹介:
心はイウヌ在住。ラー神信者。

 古代エジプトについて趣味で勉強中。
 正式にはまったく学んだことのない、完全な素人です(笑)。
 リンク先のブログ等をチェックし、好みで記事を選んでます……。
 突込みなどは、喜んでお受けします。勉強になります。

※相互リンクはエジプト関連のみ受け付けます。
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