古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
http://www.egyptological.com/2012/01/tomb-k64-in-the-valley-of-the-kings-the-story-as-it-broke-7134
http://news.yahoo.com/rare-tomb-woman-found-egypt-valley-kings-153839689.html
***
2012年1月15日付の報告。
ルクソール西岸、王家の谷で新しい墓(KV64)が発見されたそうです。
そこから、
第22王朝(紀元前945-712年)の木棺が見つかり、
持ち主の名前はニヘムスバステト(ネヘメスバステト、 Ni Hms Bastet )。
カルナク神殿の「アメン・ラー高位神官の娘」であり、「アメン・ラーの歌い手」の称号を持っていました。
スイス人とエジプト人の共同チームがトトメス三世の墓(KV34)へ続く道を整備していたところ、偶然見つけたとのこと。
バーゼル大学の調査隊が、
クリーニングと同時に装飾の少ない、あまり研究されていない墓を文書化し記録する作業中、
どうも墓の入り口らしいものを二つ、見つけ、2011年12月に調査される予定だったようですが、
そのうちひとつは、放棄された墓か、近くのKV40のための保管庫ではないかと考えられていたそうです。
ところが、調べてみると、これは新しい墓だ、と。
木棺は黒く塗られ、ヒエログリフが書かれている様子。
横には彩色された木製のステラが置かれています。
ニヘムスバステトの棺は第22王朝のものですが
この墓自体は、第18王朝に作られたものであろう、と考えられているようです。
一緒に見つかったものからそう推測されるようですが、何が見つかったのか詳細については知らされていないようです。
墓は荒らされていない、完全な状態である可能性が高く、第22王朝のものとしてはとても珍しいとのこと。
棺の中にはカルトナージュのマスクと、そしてリネンにくるまれたミイラも、きちんと残っているだろう、と考えられています(重たいし…って)。
ニヘムスバステトという名はそんなに使われていたわけではないようですが、
初めて見る名前でもないようです。
第22王朝の「アメン神の第4の預言者」ジェドコンスエフアンクの、娘かもしれないとか
バーミンガム博物館のパディムウトの母親も同じ名前だとか
いろいろ考えられているようですが
今後の調査で明らかにされるかもしれません。
王家の谷で、王族以外の女性が埋葬されている例は非常に稀です。
ただし、第22王朝の「王族」の定義は非常に複雑であったため、彼女が王家の一員であった可能性も無いとはいえないようです。
「観光客の喜ぶ墓ではないが、考古学者の喜ぶ墓だ」
ということで、これから明らかになっていくことが楽しみですね!