前のつづき。
もう「彼」と「あなた」が入り乱れていて、何を指しているのか分かりませんwww
「私」も、セトなのか死者なのか同一なのかみたいな><
●死者の書108章 7
(コフィンテキスト 160章 Ⅱ383)
a
「私は偉大な魔術師(、ヌウトの息子)」(カッコ内はヌウのみ)
b
「あなたから力(アク)を与えられた」
c
「有益なものとは何か?」
d
「彼(蛇)の上にやってくる、彼の椎骨に対する力は」
CTのみ「彼(蛇)の上にやってくる、山の上のあなたの力は」。
●死者の書108章 8
(コフィンテキスト 160章 Ⅱ384)
a
「見よ、私はやってきた」
b
「私が手にしたあなたの力は。」
c
「私は力を示す。」
d
「私はやってきた、」
●死者の書108章 9
(コフィンテキスト 160章 Ⅱ385)
a
「私は(ラー神の)アケルウらを奪いとる。」
アケルウは地の神(蛇)たちらしい。いったい何が言いたいのかよくわからず。
CTの区切に従って切ってるけど、死者の書はアケルウの下にnがあるように見えるし、ここは続いてるかもと思って…。
b
「(彼(蛇?)は私によって)薄闇の中でしずまり」
c
CT、ヌウ 「私(たち)は天をめぐった」
ネブセニィ、カー「彼はその空へ戻る」
おなじF46を使って読みがちがうっぽい。
●死者の書108章 10
(コフィンテキスト 160章 Ⅱ386)
a
「あなたは足かせをされる」
b
「以前あなたへ命ぜられたために。」
c
「ラー神のもと、生きて平穏であれ」
***
さて訳だけ並べてみましょう。(ちょっと修正したりしながら)
**
「昼の時が退き(薄暗くなり)、彼(蛇)が眼をラーにぐるりと向けると、」
「旅をしていた船乗りがたいそう驚いて、聖船(乗組員たち)が止まってしまった。
(聖船が止まってしまい、大神が船の船室に隠された。)」
「セトをして、金属の槍を彼(蛇)へとさっと出させ、」
「彼(蛇)の呑み込んだものをすべてを吐きださせる。」
「セト神を彼(蛇)に向かわせ、」
「彼(セト)は魔法を唱えて言う。」
「『あなたよ退け、私の腕の中に鋭い金属があるために』」
「私はあなたに向かって立ち、遠くを見て、(聖船の)船旅を導く」
「あなたの目をまたたかせる」
「(私は)(あなたの頭部を)覆う(覆った)<Hbs,TAm>、」
「私に渡らせよ<DAy>。私から退け」
「私は男<TAy>である、あなたの頭を覆う<Hbs>」
「あなたの上唇<Ssp>を清める」
「私は無傷<wDA>だ。私は無傷になった。」
「私は偉大な魔術師、ヌウトの息子」
「あなたから力<axw>を与えられたもの。」
「有益<ax>なものとは何か<iSst>?」
「彼(蛇)の上にやってくる、彼の椎骨<Ts>に対する力は」
「見よ、私はやってきた」
「私のもつ、あなたの力は。」
「私は力を示す<wTs>。」
「私はやってきて、(ラー神の)アケルウらを奪いとる。」?
「彼(蛇?)は私によって薄闇の中でしずまった」
「私(たち)は天をめぐった」(「彼はその空へ戻る」)
「あなたは足かせをされる」
「以前あなたへ命ぜられたために。」
「ラー神のもと、生きて平穏であれ」
**
結局「あなたの頭を覆う」の「あなた」がどっちかわかんないんだけど。
上唇を清められる「あなた」は、清めというからにはラーっぽいんだけど(これがもし、上唇ではなく「手のひら」と訳すのなら、蛇に手はないので確実なんですが><)、
その前の「私に渡らせよ」と言ってる相手は明らかに蛇だし。
でも、その後に魔力をくれたという「あなた」は、たぶんラーなわけで。
流れをイメージすると、ラーっぽいんだけど、
蛇と言われたらそうかも。
そもそもこの蛇は、朔と関係があったはず。…という設定がここでもまだ生きてるのかは定かではないですが! でもまあ、蛇だから元々黒そうではあるんですよね。あとまあ、日食も新月(朔)にしか起こらないし。(ていうか、蛇の頭部を隠したとしたら、繰り返し「隠す」と出てきても、日食そのものの見た目にはかかわってないのか…だって太陽が欠けるのが日食だし 目が「光り」だとして、蛇の目が「光る」のが日食と関係あるようには…うーん)
けれどやっぱり
「頭を覆う」は、「ラーの目=太陽、を覆う」ことから、食が起こっている、
と考えると
①セトが覆っているのか
②蛇が覆っているのか
というかんじで…
もしかしたら、
日食も「一時的」なものであるわけで、
アアペピの名前が aA「大きな」+app「通り過ぎるもの(通り過ぎるapi⦅第3弱⦆の、未完了能動分詞『~するもの』の形??)」みたいな意味を持ってるとしたら
②が正解で、そこのセリフは蛇のセリフかもですね。どこまでか分からないし、状況ものみこめませんが。
とりあえず、
アアペピは「砂州」であったりするそうなので、水を飲み込んで太陽船を座礁させる、のがその力、その脅威であった、と考えることができそうです。
船が座礁すると、太陽は動けなくなって、「マアト」(秩序)が崩壊しますからね。由々しきことですよ。
日食は、大きな蛇が顔をおこしてラー(太陽)を見ちゃったせいでできるその影。
・・・なのかなあ?