古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
●ギザ台地の考古学遺産の保存(前半)
http://drhawass.com/blog/preserving-gizas-archaeological-heritage
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ギザのピラミッド遺跡は私の好きな場所のひとつであり、
私はそれを保存するための作業、たとえばギザの史料プロジェクトなどを支援してきました。
私の多くの偉大な発見はこのギザで起きました。それにはピラミッド建設者の失われた共同墓地や謎めいたオシリス・シャフト、カイや小人ペルニアンクの彫像の墓などが含まれます。
経歴のはじめのうちに、西部墓地にある発掘小屋で生活し、目覚めと同時に大ピラミッドの壮麗な景観を毎朝拝むことができるという特権をも得ました。
ギザ台地は巨大です。そして、まだその秘密をすべて明らかにしてはいないのです。
私はそこで仕事をしたはじめの学者ではなく、また、最後の一人でもないはずです。
20世紀の前半、アメリカ人やドイツ・オーストリア人、エジプト人や他の国の人々による多くの偉大な発掘遠征が、砂の山を掻き分け、何百もの墓を明らかにし、現在エジプトやヨーロッパ、アメリカなどの博物館にあるコレクションを富ませているような、芸術的な傑作を発見しました。
過去100年のうちに、ギザに関する発見、人工品、写真、発掘計画、図面、ノートおよび出版物などの、多くの考古学的記録は、その進歩を追うことがほぼ不可能になってきました。
だからこそ私は、メロン財団のアンドリュー・W氏の財務援助を受け、ボストンのファイン・アート美術館(ボストン美術館)で始まるプロジェクトを支援することができるのを、とても幸福に思います。
MFAでのギザ史料プロジェクトは、エジプト学者ピーター・Der Manuelianに率いられ、収集、デジタル化し、ギザについての考古学的情報すべてを国際社会にアクセス可能にするよう努めます。
このプロジェクトがボストンにベースを置くのは、ハーバード大学のためです。――ボストン・ファイン・アート美術館の発掘遠征はジョージ・A・ライスナー(1867-1942)に率いられ、ピラミッドで最も長い発掘を1905年から1947年にかけて行っていました。
ボストンのMFAは、その古代世界部門において世界で最も大きなギザの考古学的史料を収容しており、その学芸員は私の同僚であるリタ・フリードです。
着手から数年後より、ギザ史料のウェブサイトには何十万ものギザの事項が オンラインに書き込まれ、古王国時代の文化を研究する学者や生徒たちに閲覧可能となり、研究そしてダウンロードも自由にできるようになりました。
現在までに、70ヶ国以上の人々がウェブサイトに訪れています。
異なるタイプのデータを上手くリンクさせることによって、ウェブ使用者はギザにあるどんな墓、像、記念碑の考古学の歴史についても「再構築」できます。
たとえば、「G7101」などの墓の番号でも、「カー(2009年6月にオバマ大統領が訪れたときに見せた墓です)」のような古代エジプト人の個人の名前でも、打ちこんでください。そうすれば、何百もの写真、オブジェクト、発掘日誌のページ、計画そして図面、出版された本と原稿を、無料のPDFファイルで見ることができます。また、出版されていない手書きのページさえも見ることができます。
検索特質の強力な進歩は、楽師だとか、家畜、祭または仕事をする職人などといった題名を示すことで、生徒が墓壁の場面を選び研究するのを助けます。
私たちはこのドキュメンテーションの多くを、現代の科学的考古学メソッドの創始者のうちの一人である、ライスナーに負います。
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後半はまたあとで……。