古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
『ヒエログリフを書こう!』フィリップ・アーダ著 吉村作治・監修 林啓恵・訳 翔泳社
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家族が借りてきたので読んでみました。
外国人らしいユーモア満載といった感じで、その辺がなんとなくクリスチャン・ジャックの『ヒエログリフ入門』っぽい。
でも、あっちは単語それぞれの構造とか、解釈の仕方を教えているのに対し、これは文法より……。
いや、びっくりしました!
ここまでシンプルにして、文法を教えることが出来るんですね!
確かに、始めはこれくらいから入ったほうが、とっつきやすいかも、と思いました。
著者は子供向けの本をたくさん著している、ということでしょうか。とにかく専門家ではありません。
もちろん、「著者よりひとこと」にあるように、これを読んでも「専門家になれない」ですが、
専門的な入門書の一歩前に、これを読んでおくくらいしないと、本気でキッツイと思ってしまいます……。
ただし、文法については、です。
単語の説明は、逆に分かりづらいと感じました。『ヒエログリフをひらく』とかの方が、日本人向けだし分かりやすい。
でも、「ヒエログリフを書くこと」を目的にしているためか、なかなか面白いことも書いてます。隙間ないように書いたほうがいいとか、横書きのときと縦書きのときの書き方の変化とか……。
あ、でもこれは、いくつか見ていくうちに、勝手に気づくことだと思いますが……。
また、供養文の説明とか、私みたいな初心者にはいいかも!
こういう文、かなりたくさん見た覚えがあります。全部は読めてなかった気がする。もう読める!
ペレト・ケルウ(声による供物)のケルウのヒエログリフが、なんだかなあという感じがしますが……(どうでもいい!!)。
この解説文を、そのまま覚えてしまうと、ちょっと勘違いしそうだと思ったのですが……あ、普通気づくかな? まいいや。
私みたいなのが、単語と日本語を勝手に対応させて、分解して、あれこれ組み合わせてしまいそうですよ……あはは……。
そういうときに、前置詞の説明とかが適当なので、区切れず間違えそうです。
うーん、前置詞。よく分からないですよね……。
また、あれ、と思うこともありました。
特に、最後のほうの、ヒエログリフの文に日本語をあててるもの。
縦書きの文字を、わざわざ横書きにして、単語ごとに(適当に)説明を加えてます。
これ、突然ここか!という感じですが、
問題は、言葉のあて方とか……(これじゃよく分からない……)
なにより、縦書きのものを横書きにしちゃったことかな……。
書く楽しみを教えるのが目的なら、セレクはちゃんと説明したほうが良い!と思いました。
あと、こういうのを見ると、翻字ってやっぱいるよなあと思います……。
翻字にして、読み方を知らないで、どうやって読んでいくのかな、と思ってしまいました。こういうの、読まずに覚えたりできるものなのかな……。よく分からないです。
初心者向けなら、カタカナで読み仮名振ってくれると嬉しかったな!
難易度と順番も無関係で、いきなりピラミッドテキストだし(しかも写真で抜き出した部分を示した枠、間違ってるし)、途中の「ツタンカーメン王の墓」や「ネフェルトイリ王妃の墓」はかなり簡単な、王(や、王妃)の称号程度、文法関係ないものだったりするし。
まあでも、分かりやすかったです!
こんな感じで、一歩一歩進んでくれる文法書、ないかなあ……。
でも、ひととおり本を読むだけでは無理ですよね、繰り返さないと……。
せっかく時制に触れてくれたのに、かなり適当な感じで(前置詞その他も適当でしたが)……このあたりから、なんだかもう、壁が厚くて(涙)。
そこに進むまでに、簡単な文を読めるようにしておけということなのかもしれないですね……まだまだだ!!
供物台の周りや、新王国時代の(字の少ない・笑)棺にあるものくらい、読めるようにならないかな……。
ならないかな、じゃなくて、なるよう努力をしよう……。