古代エジプト語は
母音が表記されていなくて、
私たちは、基本「e」を補って、読むようにしているのだけど、
本当に、そのような音だったのかは分からない。
むしろ、違う可能性が高かったりして。
エジプト語は、セム語ではないけれど、
セム系の、アラビア語に見られるように、
同じ単語を、母音を変えて話すことで、ニュアンスを区別したりしていたそうで……?
でも、アラビア語とは、確かに似てるところがあっても、基本的には別物だ、と、どこかで読みました。
で、
古代エジプト語の「音価」をよみがえらせるのは、
基本、コプト語を頼りにするしかなくて、
でも、完全に頼れるものでもないという……。
実は昨日図書館で、
近藤二郎著『ヒエログリフを愉しむ』集英社新書
を、借りてきて読んでいます。
新書なのに右開きで横書きの不思議な本で、
ヒエログリフ~とタイトル打ってるのに、ほとんど文ばっかり、
著者本人もはじめに「文法を解説してはいない」と書いてあるし。
文法に興味があったので、今まで見ていなかったのですが、
他に借りるものがなく、時間もあまりなさそうなので、
ページが少なく、字も大きいこちらを選んだ……のですが。
あ、甘く見てました。
本当にすみません(そういうこと多いな)。
確かにヒエログリフ文法は関係なく、
歴史の流れに沿って、要点をお話してくださるのですが、
基本的な内容の中に、ふっと「え、そうだったの!?」的な情報が満載で。
まだ半分もいってないのに……。
で、この記事タイトルのこと。
オシリスは、玉座と目で「ws」「ir」、ウセル、ウセイル……と読むだろうと思われていて、
元は「力強いもの」=ウセル、だろうという説が有力だったようでした。
でも、
セム系諸語を考えていくと、
「アシル」なのではないか、という考えが出ているというのです。
それも、メソポタミアの「アシュル神」からきてるのでは、と。
そういえば何で、
玉座のヒエログリフが、
イシスのときは「Is」と読まれ、オシリスのとき「ws」と読まれるのかも不思議で、
「Is」=「アス」と読むほうが納得ではあるのですが……。
そして、
下エジプト起源のオシリスが、古くから人型だったために、
外来の可能性と、実際に存在していた王を神格化したという可能性も、提示されていましたが、
読み方に理由が示されるなんて……。
そうなんですよね、
全体的に、意味は分かっても、読み方ははっきりしていないんですよね。
カタカナで書くの、怖いなあ……。
うーん……
この、オシリスの音価について、
今どれだけ支持を得ているのか……気になります。