古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
●《続き》最古の「白冠の王」の岩絵
マリア・カルメラ・ガット博士のブログより
http://yale.academia.edu/MariaCGatto/Blog/18399/DISCOVERED-IN-ASWAN-THE-EARLIEST-REPRESENTATION-OF-AN-EGYPTIAN-KING-WEARING-THE-WHITE-CROWN
もう少し詳しく情報が載っていたので
(残念ながら図は無しです)
かぶらない程度に、少し訳してみます。
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エール大学とベルリンのBologna and Provinciale Hogeschool大学からなる調査隊が、
約半世紀前に有名なエジプト学者ラビブ・ハバシュによって、アスワン北部のナイル川西岸ナル・エルハンドゥラブ付近で発見された遺跡の、
第一の碑文の移転と、デジタル記録を、完了しました。
この新しい、徹底的な研究は、
以前は知られていなかった、国王のイメージについて、重要な、初期王朝時代の周期(サイクル)をあぶりだしています。
初期のヒエログリフの銘についてもそうです。
この遺跡は近年、部分的に損傷を受けていましたが、
デジタル手法と、ハバシュ博士の写真(現在はルクソールのシカゴ・ハウスにあり)が有効であったおかげで、
主な図は描写とデジタル・イメージによって再構築することが出来ました。
この図像グループと短い刻銘――紀元前およそ3200年、王朝時代のあけぼの期に刻まれた――にはもっとも初期の描写が記録されています。
それには、国家の記念祭の主要素が全てそろっているのです。
・エジプトの冠と思われるものをかぶった、エジプトの支配者
・「ホルスの従者たち」
・国家裁判所
これらはパレルモ・ストーンなどで説明され、初期王朝時代のものとして知られています。
ナグ・エルハンドゥラブの場面はユニークで、
船と動物が優勢な力のイメージをもった、儀式的な先王朝時代の記念祭の世界と、
事象を支配する人間の指導者のイメージをもった、国家的なファラオの記念祭の世界とを、繋げています。
また、このイメージの周期(サイクル)は
最高の(人間の)聖職者としての
統治者の出現と、人と神の力が具現化される兆候とを示している、といえるかもしれません。
ナグ・エルハンドゥラブの周期は
先王朝時代の古い船で行う記念祭の周期の最後にあたり、
王位の象徴――白冠のもっとも古い形状がここに描かれています――を身につけたファラオが統括する周期のはじめにあたります。
またこの周期は
こうした図像がヒエログリフによって注解されるはじめの周期です。
「つき従う」を意味する管(?vessel)のテキストは、おそらく「ホルスの従者たち」を意味し、
よってこれは、エジプトで最古の税の徴収を記録したもので、
エジプト全土、そしておそらくヌビアも含めた、国王による経済政策を説明するでしょう。
ナグ・エルハンドゥラブのイメージ周期はおそらく紀元前約3200年にあたり、
それはナカダ後期に該当します。
言い換えれば、サソリ王(アビドスUj墓の持ち主)――第0王朝のはじめの王――と、
ナルメル――第1王朝のはじめの統治者――との、間です。
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ちょっと難解でした……合ってるかな…
岩絵自体は50年ほど前に発見されていて、
損傷したものを、修復していたのですね。
その中に、最古と思われる、白冠の王の図があった(これが発見)、
ということでしょうか。
岩絵から読み取ることが出来ること、
いろいろ勉強になります。
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「最古の「白冠の王」の画の“再”発見 」
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