古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
●王家の谷でオストラコンなど発見
http://drhawass.com/blog/video-new-inscribed-finds-valley-kings
ザヒ博士のサイト、9月17日の記事です。
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私は今、王家の谷を一年半ほど発掘しています。エジプト人ばかりのチームがそこで作業するのは初めてで、彼らと作業しています。
われわれの発掘は、これらの墓を建造した労働者たちの生活などについての新しい証拠を見つけるために続けられています。
多くの石灰石の小破片(オストラコンと呼ばれるもの)や銘のある陶器の破片など、多くの人工品が明らかになっています。これらの銘は、労働者の生活の様子をより明らかにしてくれるため、非常に価値があります。
とても興味深いもののひとつが、墓の計画を記した石灰石の欠片で、労働者によって3000年も前に描かれたものです。
他にも、ウェレト・ヘメト・ネチェルヘメト・ネチェル・ウレト(偉大なる神妻の意)という肩書きを含む銘を刻んだ欠片があります。この肩書きは未知の王妃ティイ(Tiy)のものです。ここでの作業で、この王妃についての証拠をもっと見つけたいと考えています。
労働者の一人によって捨てられたらしい、大きな女性のスケッチのある破片は楽しいものです。これはその労働者の彼女を描いたものだったら面白いと思っています。
陶器の破片には、興味深い組み合わせのカルトゥーシュが、二つ、並んでいるのを見ることができます。
ひとつはハトシェプスト(女性のファラオ)で、もうひとつはその後継者、トトメス3世です。
トトメス3世が王座に上ったとき、ハトシェプストのモニュメントを破壊するよう命じたものだと、長いこと考えられていました。ですがこの欠片は、そういった考えが間違いであり、破壊は彼の治世の終わりごろ、彼の息子アメンヘテプ2世が継ぐころに起こったものだということがより考えられてきます。損傷は、おそらく女性のファラオを見たくないという人々によって起こされたという方が、より考えられます。
見つけたオストラコンのうちのひとつ、ヒエラティックの書かれたものからは、労働者がどれだけ多くの食物を与えられていたかを知らせる表があります。われわれは、これらの労働者がここで働いている間、墓に近い小屋で生活していたことを知っています。今、どれだけの食料が役立てられたかを知ることができました。
われわれの発見のすべてが、特にこれらのヒエラティックの銘やスケッチが、労働者たちの生活と同様に、彼らの建てた墓の主の生活を伝えてくれるため、とても重要であると考えています。
私はこれらが王家の谷での発掘で発見できたことを嬉しく思います。この発掘は、貴族や労働者の生活についての新しい証拠を見つけるために続けられるでしょう。
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女性を描いたオストラコンのらくがき、面白いですね!
こんなにおなかが丸いし、あまり美人とはいえないですよね。風刺画の様にも思えちゃうのですが……。
彼女を書いたのだとしたら、それは、目に付かないうちに捨てて正解ですよね(笑)。
hemet netjerとありましたが、ネチェルって英語表記でこうなのか、それとも打ち間違いなのか……こういうの、なかなか慣れないです。
しかもヘメトとネチェルの読み順は分かるんですが、ウェレトから先に読むんですね……。うーん、難しい。慣れかな。
西村先生から以下のようなご指摘を頂きました。
「偉大な神の妻」の読み方は、ヘメト・ネチェル・ウレト(Hmt-nTr wrt)です。英語で表記すると、hemet-netjer wretです。
ということで、本文を修正しておきました。
netjerは英語の表記なのですね!!
はじめにネトジェルと訳して、映像を見てから修正したのは内緒です(バレバレ・笑)。
いつもありがとうございます!