古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
春休みも終わりになって、やっと行って来ました!
感想書きます!
●開館前に行ってみた
10時開館だけど、9時にはもう列ができていると聞いて、
始発で行って来ました。到着は9時45分くらいだったでしょうか…。
並ぶには並んだのですが、館内で寒くなかったですし、どんどん進んでいて、じっと待つという感じではありませんでした。
自分が展示室に入ったのは、10時ちょっとすぎという感じでしょうか。
早く行っても二時間待ち、昼前後は二時間半~もありえると聞いていたのですが、開館時間を早めてくださっているということと、あとスタッフの慣れ、スムーズに進められる方法をいろいろやっているということ、さらに春休みがもう終わっているところもあったようで、この日は(小雨も降ったりしてました)昼でも20分待ちくらいでした。
数十人位で区切られて、部屋に案内されて注意事項を聞いた後、短い動画で導入。そのあと、扉が開かれ、展示室に入ります(動画を見る部屋に入った、その入り口の左手が扉でした。大きいパネルの左側です)。
●展示品全般
入る前に一覧表があったので見ていたのですが、100数点とそんなに多いほうではありません。
が、一つ一つがすばらしい物ばかりで、立ち止まってじっくりみたい。そんなわけで、一時間半くらい見てました。
はじめから楽しみにしていた首飾りとか、
一番の目玉である、ツタンカーメンのカノポス容器とか、
けっこう、「想像していたより小さい!」というのが多かったです。
小さいんですが、それがなおさら、すごさを感じさせるというか、
こんな細かいところまで、丁寧にやってる!!みたいな。
あの、カノポス容器なんて、棺に似たデザインですが、
あれだけ(公式サイトトップとか)大きく拡大しても鑑賞に堪えうるというのがもうすごいですよね。
ツタンカーメンの、シリアガラスのスカラベを中央に置いたあの飾り、上のほうにある月の円盤の中のツタンカーメンと二神の図なんか、肉眼ではちょっと何かよく分からないです。
こういう、図録などのありがたさがよくわかる部分もありました。
あと
実際見ると、図録ほど綺麗じゃないものも(笑)
というか、ああ、ずいぶん光を調整しないとああは見えないんだなあとか、(保存のために光を落としています。やはり、図録ほどきらきらしては見えませんよね)
けっこう傷があるなあとか。
それでも、角度を変えてみることで、紅玉髄やシリアガラスなどの透明感は、生のほうがよく分かりますよね。特に紅玉髄の、オレンジとも赤とも取れる色合いは。
逆に、生で見たほうがずっと美しく見えるものもありました。
木製のものなんて特にそうですが、女性の服のひだとか、丁寧にやすりをかけているんだなあというのが伝わってきて。小さいのに!
なんだか言い出すときりがないのですが
特に気になるところを、具体的に取り上げますね!
●具体的に…
『召使を象った軟膏容器』
展示番号6
小さいんですが、綺麗だなーと思ってみていました。
4つほど同じガラスケース内に並べられているのですが、これのデザインの美しさは際立っていました。
図説を見るより断然生で見たほうが綺麗です。アカシアの木で作ったとありましたが、色が赤茶で優しい木の色をしていました。大きな壷を担いでいるその体の形、バランス、服のひだはもちろん、上の壷の部分に象牙で象った子牛とか、色合いの調和がとっても素敵。
顔の形が整っているのですが、厚い唇、大きめの鼻(図録には、広い額とアーモンド形の目も挙げていました)は異国人を表しているのだとか。
壷にかかれた模様もシリア風とのこと。へ~。気付きませんでした。
とにかく形と色のバランスが優れてます!
『アメンヘテプ2世の儀式用水差し(アンク型容器)』
展示番号9
こ、こ、これは!
アンク型の水差しなんて解説読まないとさっぱり意味が分かりませんでした。知らなかった!
上の方になんか横棒がついてて、これ「シェン」を逆さにして組み合わせたんじゃね?みたいな無駄な深読みをしてしまいましたが(笑)、水の出し入れ口なのですね。
どう見ても使い辛そうですが、「生命を注ぐ水」として分かりやすい形というのは納得です。
これについては図録の後ろのほうで詳しく解説をしてくださっているので…。いや、解説がないと、正直「…え?」って感じでした、はい。
『アメンヘテプ3世とティイ王妃の銘入りチェスト』
展示番号18
イウヤとチュウヤ(王妃ティイの両親で、アメンヘテプ4世の祖父母)の墓から発見されたものの一つですね! 楽しみにしていました!
青とオレンジと金、まさに『エジプトらしい』色合いです。
これ、よくみると、下のネブ籠の上にアンクとウワスが乗ってる連続模様の部分、後ろに布のを張ってるみたいなんですね……。
よく似たデザインのものがツタンカーメン王墓からも出ていて(展示番号91『高脚付きチェスト』・後述します)、今回も展示されていたのですが、そっちにはどうもないらしかったんです。
そもそもどうしてつけていたのかなあ、と不思議でなりません。
図録にも説明はなかったですね…。
『サトアメン王女の椅子』
展示番号34
これきちゃいましたね!!
これも生で見たほうが綺麗です!(木の様子が写真には綺麗に出ないのかも)
濃い赤茶の落ち着いた色合いの木に、金が張られています。
デザインは、私にはとても東の影響が濃いように感じられますが…。
これは特に、座る部分の…なんだろう。草を編みこんだ様子が素敵で、
上からの光で模様が下に浮かびあがって見えました。
風が通って涼しかっただろうなーと思うのです。はい。
『ダチョウ狩りの装飾付き扇』
展示番号60
これは。
正直、黄金の美しさを一番感じました。
まっすぐと長い柄の部分に、ヒエログリフが刻まれています。
ほとんどが(この羽を取り付けた部分のプレートもそうですが)木に黄金を貼り付けているようですが、この絵は、金属なのでしょうか、それだけでもう、何か違います。凛としています。これは、本などで見ていた時には気づけなかったことでした。
図録には、王墓から見つかった扇は8つあって、そのうちの一つ、柄が短く曲がっているものを「王自身が使用したかもしれない」として写真で紹介していますが、これにはダチョウの羽がついた状態で。
カラーで見たかった(笑)ムリだけど!
こっちも見たかったですね!! 自分用のがあったんだ!
『ツタンカーメンの彫像用厨子と支柱付き台座』
展示番号69,70
さて、世のツタンカーメン&アンケセナーメン若き夫婦のファンの皆さん、お待たせしました!!
この厨子は正面から側面から、二人のいちゃいちゃ図で埋め尽くされています! いやほんとに!
正面を6つ、側面を4つずつに区切って計14シーンの、二人の様子が描かれています。ほんとに二人だけの世界!
ほとんどが、アンケセナーメンがツタンカーメンに何かをしているシーンですねー。首飾りを結んであげたり、花やシストラム、メナトを捧げたりとか。狩の獲物を手にしたツタンカーメンをたたえたりとか。水?を受け取っているようなものもありました。
特に注目したのは、正面の扉の一番下。右側は二人仲良く手をつなぎ、左側は、ツタンカーメンの左腕をアンケセナーメンが両手で支えているようです。仲良い様子に見えますね!
図録にないのでうろ覚えですが、確か向かって左側の、上のほうのシーンも、アンケセナーメンが両腕でツタンカーメンを支えるようなものだった気がします。
(あ、香油を塗ってるって説明がありました。なるほど)
扉は半ば開かれた状態で展示され、右の扉の内側は金がはがれていて、その下の木の様子(綺麗に彫られている)が見えました。左右とも、内側の一番下はネブ籠に乗るレキト鳥(すべての庶民の意)が礼拝の形をとっていたと思います。
あと図録を見ていて気が付いたのは、王も王妃も頭飾りがいろいろあること、それと、椅子もいろいろな種類が描かれていることです。
まだまだ、何度見ても見足りないくらいですね……。
『ツタンカーメンの首飾り』
展示番号71
これですね!
青とオレンジに金、まさにエジプトカラー!?
帯の部分のデザインの凝りよう。その細かいこと!
ここまで凝らないとだめなの!?という感じです(笑)
セクメト女神のドレスの模様が、伝統的なビーズ飾りですね! ここまで細かく表現されています。
あと、この帯のつなげ方。細かくデザインされた四角をつなげて帯にしているんですが、繋げ方が、この四角の左右に二つずつ(上下に)糸を通す穴を作って、糸を通すんですね。でもその糸が見えないように、金のところ以外は全部ビーズです。へえ~!
これは、展示番号78『スカラベ付きブレスレット』を見たときにも気付いたのですが、
形が崩れないように、円をつなげたものをビーズの連続した紐の途中に通したり、工夫がされているのですね~!
そこはきっちり形を整えて、それ以外の部分では微妙に形が揺れ動くのが、また美しいなと!思うのです!
全部を型にはめるより、綺麗だろうなと思います。
『プタハ神像』
展示番号75
プタハ様黄金!
そしてまぶしい頭の青!!(笑)
この像は、18王朝あたりに流行る「リシ(羽)」模様に身を包んだプタハ様なんですけど、
羽毛が立体的で! なんかふさふさした感じ!
…なのが、個人的に衝撃でした(笑)。
羽毛の様子を細かい線で描いてるせいでしょうか…しかも一房ずつ立体的にしてあるし!
『有翼スカラベ付き胸飾り』
展示番号79
これですね!!
人だかり!! 動かない! みんなじっくり見てました!
それもそのはず、この美しさ、てんこ盛り感(笑)!
図録に裏から見た図が載っていますが、下の花々は太目のワイヤーに通してぶら下げてあるんですね~!
前後に揺れるのかな、なんて想像。
下の花々は、後ろから見えないのに裏も丁寧にしているので、ぶらぶら揺れて裏も見えてオッケーだったんじゃないでしょうか! ああ、揺れるって美しい!
両端の紅玉髄も、金の受け皿にはめ込んでるんじゃなくて、包むようにしているのですね。光が綺麗に透けて、それはもう動くたびに色合いが変わっただろうなと!思いました!
『象嵌細工のある大型壷』
展示番号81
これは背が高い壷でしたね!
図録にあるものは、後ろから光を当ててアラバスター(方解石)が燃えるような色を呈するところを見せてくれていますが、
展示室では普通の柔らかな光で、オレンジがかった半透明の石肌が見えました。
同じアラバスター性のものでも、展示番号90『ロータスの花とつぼみを象った杯』は、展示ケース内で後ろからほんのり照らされるようにして、オレンジ色が浮かび上がっていましたが、図録のものは乳白色ですね。
展示番号59の『キヤ妃のカノポス壷』もそうですが、アラバスター製のものは生で見てみると印象がだいぶ変わることがあります。この壷、キヤの特に鼻の辺りが、半透明でつるつるで綺麗でした~! 美しい!
『ライオン飾りの付いた化粧容器』
展示番号88
これも楽しみにしていました!
アラバスターの白と、深い藍色のコントラストが素敵ですよね!
てっぺんに王がライオンの姿でくつろぎ、側面はライオンや犬が獲物に噛み付いている。もう、征服!ッて感じの。
実は今の今まで気づかなかったのですが、底の部分に(踏みつけられるような形で)人の顔が付いていたんですね……。
しかも、そのうち二つは色が黒いしどう見てもヌビア人で、残り二つは、褐色なんですけど、別々の外国人ッぽいです。耳のあたりからあごまで幅の広いひげがあって頭が禿げてるのと、頭に髪があってひげもちょっと少なめなのと。
図録には、ヌビア人の一対とアジア人の一対としか書いてませんが、アジア人はヌビア人に比べて区別されているように感じます…。
『高脚付きチェスト』
展示番号91
ツタンカーメン王墓から出ているものですが
展示番号94『カルトゥーシュ型の箱』といい、三色のバランスが本当に美しいです。
このチェストは赤茶、黒、金の三色で、落ち着いた色合いで高級感もあり、現代の家具としておいても差し支えないと思うほどです。
箱のほうは、赤茶と黒と象牙のオフホワイトがいいバランスで、特に上の王名の部分の配色が素敵だなあと思います。
前述のとおり、展示番号18『アメンヘテプ3世とティイ王妃の銘入りチェスト』とよく似ています(特に下の、ネブ籠の上のアンクとウアスはそのまんま…決まったデザインだったのかな?)が、こちらには布が張っていないようです。もしかしたら、当時は張ってあったとか…?
細かいことですが、ぐるりと見て回って、前面右側の脚が少し形が崩れてることが気になり(笑)、
また、これら四本の足は、どれも下に行くほど微妙に太くなっているような気がしました…。そのほうがバランスもとりやすいでしょうしね…。
『ツタンカーメンの銘入りガラス製枕』
展示番号95
これは何度か本などで見ていて、
真っ青なので、ラピスラズリを模したファイアンス製だろうと勝手に想像していたんですが、
なんと、ガラス製!
そうしてよく見ると、確かに、ガラス! 濃く色が付いてるけど、確かに透けてる!
これは図説でも分かりづらいです。生でよく見ないとなかなか気付けそうにないなと思いました…。
こんなに均一に色が付くものなのですね……何も知らずすみません(笑)。
『ツタンカーメンの棺型カノポス容器』
展示番号101
きました、目玉のひとつです!
もう終わりごろになって展示されています、ぐるっと見て回ろうと思ったら、360度まわりかけて次に進められてしまい、元に返ってもう一度見ることができませんでした(涙)。
棺と同じように、前と後ろ(上と下というか…)で分かれるようになっていて、展示では、それを開いて中も少し覗くことができました。
カノポス壷が4つあるように、この容器も4つずつあると思うのですが、これは前面縦に入った銘を見ると、イシスが守るとされたもののようで、前面の内側には、イシス女神の姿が描かれていました。背面の内側は、びっしり呪文です。
同じように、ネフティス、ネイト、セルケトの名が刻まれた銘が残りのカノポス容器にそれぞれあって、名を記された女神が内側にそれぞれ描かれているのかなあと想像しました。
『ツタンカーメンの黄金の儀式用短剣と鞘』
展示番号103
これは。驚くほど美しいです。一見の価値はありです。
柄の部分の細かい装飾、鞘のリシ模様の象嵌、裏の浮き彫りで表された動物たちの狩の様子。
本当に美しいのですが、図録にもあるとおり、私も、このデザインはあまりエジプト的でないなあと思います。
でも、綺麗です、素直に。はい。
底の模様は展示中に注意して見ませんでしたが、図録のほうに丁寧に写っています。美しいです。
『チュウヤの人型棺』
展示番号107
きました黄金の棺。でっかいです。ラストを飾る大物でした。
本当に状態がよく、象嵌はさほど多くないですが、ヒエログリフも神々の図像もとてもはっきり見ることができます。
こういうものの、神様が誰かを当てる(もちろんヒエログリフを探して)のが楽しくてですね…。
展示番号29『アメンヘテプ2世の船の模型』でもそうでしたが…後ろのほうにメンチュ神がいっぱい描かれてるんですよね。ヒエログリフ見ないと分からないじゃないですか。前のほうの、太陽円盤を乗せた隼は、アメン・ラーでしたし…。ほかにも何かちょこっと書いているみたいですが、確認できず(汗)。図録、反対側を拡大してよ(笑)!
置いといて…。
えと、この棺はいろいろ典型的で楽しいです。
まず、頭の後ろにネフティス、足の裏にイシスがいます。
そして胸の上には天空の女神ヌトが羽を広げています。
側面には、アヌビスを始めホルスの四人の息子たち。左右どちらにも、中央にアヌビスがいて、左は前がハピ(頭部がヒヒでなく人型です)、後ろがドゥアムテフですね。すみません、図録見ながら言っているので、載ってない右はわかりませんが、真ん中は確かにアヌビスでしたので、あとイムセティとケベフセヌエフがいると思います。
それと個人的に面白いと思ったのが、この棺だけじゃなく展示番号98,99『子供の木棺(外棺と内棺)』にも描かれていた図像ですが、
トト神が天空「ペト」を棒か何かで支えているんですね。
いや~これも典型的なのかもしれません?が、今まで気づかなかったです。他ので見たかなあ? この時代に流行っていたのかな?
****
とりあえずこんなところで…。
やはり、実際に目で見ると、その時間分印象に強く残るし、
また本などでは気付かないもの、印象が変わる物が出てきますよね。
学術監修をされた廣田吉三郎氏(古代エジプト美術の専門家)が、何度見ても新しい発見があると言われていたのですが、本当にそうなんだろうなあと……。
うーん、生で見る機会に恵まれて、本当に幸せです。
こういう機会をできるだけ増やしたいなあと思います。
●図録
最後に図録のこと。
A4より少し大きいサイズで、けっこう分厚い図録は、一冊2500円。
文のほとんどをザヒ・ハワス博士から提供され、変更などは許されなかったそうで、そのまま訳されたようです。
(写真はイタリア人写真家サンドロ・ヴァニーニ氏の撮影によるものだそうです)
画像は背景を黒、大きく、ものによってはいくつか別の角度で写してあって、とても美しいです。
先に述べたように、図像でないと(肉眼では)見えづらいところもありました。映りもよく、もう大満足です!
一つ一つに丁寧に解説があり(ザヒ・ハワス博士らしい視点と言葉で)、後ろに用語の説明、神々の図像つきの説明も付いています。
個人的に何より嬉しかったのが、
監修や翻訳された専門家の方々が、それぞれ見開きで興味深いコラムを書かれていることです。
これらがあることで、図録は作品解説以上の価値を持つと常々思っている私です。なんて幸せなんだろう!
「ネスウト・ビティ」名について近年提唱されているという解釈、
古王国時代の正妃の称号「ホルスとセトを見るもの」、
アンク壷の起源、
『人間絶滅の物語』における「ことばあそび」、
メソポタミアとエジプトの差異……
あ、なんか、一部の説明と全体の説明をごちゃ混ぜに書いてすみません…
とにかく、どれも面白くて、
メソポタミアとエジプトの違いなんて、漠然と思っていたのがこうはっきり書かれると、もっと知りたいと思うし、
言葉遊びなんか、自分はすごく興味がある分野で、それをピラミッドテキストとか具体例を挙げて説明していただいちゃうと、もっと、もっと!ッて思っちゃいます(笑)。
いやー……
こういうコラムがメルマガで送られてきたらどんなに幸せだろう(妄想したな)!
帰ってきてさらに楽しみました、本当にありがとうございました!
***
さいごに
黄金のマスク、
自分知らなかったんですけど、40年以上前に日本に来た後、どこかの展覧会で傷が付いたらしくて、
「もう外に出さないだろう」ということでした。
しょうがないですよね…。
いやあ、マスクだけじゃないですしね…。
今回の展覧会は、古代エジプトの一級美術、知らない人にも魅力が伝わる最上級のものが集められましたが、
死生観がよく分かるマニアな物や、日常生活が伝わるものなど、古代エジプトの遺物にはさまざまな魅力がありますよね!
まだまだ、たくさん見たいです!
・2012年3月17日(土)~6月3日(日)
大阪天保山特設ギャラリー
(旧・サントリーミュージアム。海遊館となり)
・8月4日(土)~
東京 上野の森美術館
岡山オリエント美術館
http://www.city.okayama.jp/orientmuseum/
この夏は、
オランダのライデン博物館所蔵の品が200点ほどくるということで。
行って参りました、岡山オリエント美術館!
特設ページはこちら
『古代エジプト 神秘のミイラ展』
http://www.city.okayama.jp/orientmuseum/exhibits/MUMMY/index.html
動画による紹介はこちら(山陽新聞web news)
http://mov.sanyo.oni.co.jp/movie/content/mid/20110728195211917/
沖縄から始まったこの展示会。
初めて日本で紹介されたものを(web上で)見た時に、
実を言うと、そこまで期待できないかなあって思ってたりして…
いやっ、すみません!
ちょっと、末期王朝時代とか、あんまりあれなので……個人的に。
でも
行って良かったです!
☆ いろいろ愛を感じる岡山オリエント
入り口
オシリス神……
トイレ案内
男性用トイレには女神の説明が貼ってあったとかw
岡山放送のマスコット、OHちゃん(がツタンカーメンになった図)
上二つ、毎回だったらすみません、今回初めて気付いた……。
*
実は、行ってみると
末期王朝時代のものも確かにあったのですが(神像とか……)
そうでないものもちゃんとあって!
お勧め、みたいに書かれていた死者の書より、
あの、シャンポリオンのノートより、
細かな装飾の、アメンヘテプの棺より、
それ以外のもの、
ピラミディオンや、
アムドゥアトのパピルス、
アラバスターの香油壷、取っ手つきの壷、櫛、ボート模型
何よりネックレス!
……などのほうが、個人的には「素敵!」と思ってしまいました(笑)。
*
ミイラに関わる品が多く
護符のような小さなものが何点も来ていて(シャブティも多かったな)、
ミイラも棺も二種類くらい(どちらもけっこう保存状態がいいものでした、選り抜きかな)
死者の書、カノポス壷などいつものものが並びましたが、
ステラやピラミディオンは、新王国時代の、美しく丁寧な彫のものが多く。
全部ではないのですが、ピックアップして説明を詳しく書かれたパネルが置いてあったりするので、
そこを読んで、もう一度見ると、「ほんとだ!」ということが多くて、
(例えば、ピラミディオンの一面に何が描かれていて、ヒエログリフはどういう意味か、まで)
それが、楽しかったのです!
なんて丁寧な説明書きなのだろう、と。
(後で知ったのですが、図説のものそのままだったようです)
*
演出も素敵でした。
パウィアメンのミイラは、黒い布に囲まれた空間の中に一つひっそりと、ガラスに囲まれて横たわっているのですが
それがなんとも、神秘的というか、厳かな感じがします。
同じような、ビーズネットをミイラの上に置いたもの(アンクホルのミイラ)が、別の場所に展示されていますが、
こちらは、内部の人型棺2つと、外部の四角い棺などを合わせて、明るい場所に続けて展示されていました。
同じようなミイラなのに、
やはり雰囲気のせいでしょうか、小さな子供が(おそらく怖いものみたさで)パウィアメンを何度も見に行きたがるんですよね……。
帰ってもその話しかしてませんでした(笑)。
雰囲気だけでなく、
ポイントをおさえて、パネルで説明してあるのが素敵なのです。
パウィアメンのものであれば、
・なぜネットをかけているのか(オシリス神の図像に用いていたため、死者をオシリスに見立てて)、
・空の色である青を用い、天空神ヌト(死者の母なる女神)の加護を求めている。
・スカラベと、ホルスの4人の息子をお守りに、ファイアンス・ビーズで編みこんでいる。
そして
自分の目で、ビーズを繋げている紐の様子を見てみたりする。
四人の息子も、ビーズで出来ていて、髪の部分はその形に青のビーズを用いているのかな(神の髪はラピスラズリ!!のつもりかなと)? あとはきれいに白、赤、水色…と縞模様。
スカラベの羽の部分をビーズで組む様子も、素敵です。
これは図録のはじめのページでも確認できます。
アンクホルのミイラは、
ビーズがほとんど青色で、護符が金ですね。
パウィアメンの「ホルスの4人の息子」は全部人型で区別つきませんが
こちらは頭部を分けているので区別がつきます。
下の、房の部分がちょっと違いますよね。
(これらは以前、古王国時代のビーズネット・ドレスを見た時にどちらのパターンも確認していると思います)
ところで
アンクホルのミイラは、最後の目玉みたいな扱いでしたが
「アンクホル」という名前のつづりを知らせて「探してみよう!」とあったり、
棺の一部をどう読むか、抜き出して説明してあったりと
いろいろ、ナルホドやるなぁ!という感じです。
そういう楽しみ方が、私自身、一番好きです!
でも、まあ、読めないとなかなか出来ないので、こうしてヒントがあると助かるのです……。
ヒエログリフ読めない家族も、探したらしく「たくさんあった」と嬉しそうに言ってました。
*
パピルスは
死者の書(後代で、有名な場面を描いたものだが文字がないもの)や
同じ死者の書でも、葬儀の場面を詳しく描いた、まるで個人の墓の壁画のようなもの(損傷はあるが、さまざまな場面が描かれており、それについて詳しい説明がパネルにある)、
神話パピルス、
そして、アムドゥアトの書。
これ、壁画以外に、パピルスで残されてるとは知りませんでしたが……、
すごくキレイです。丁寧に描かれたものだなあと思いました。
*
取っ手付き軟膏壷
これ、取っ手の部分がガゼルの頭部(高く伸びた角!)なんですね!
すごく素敵なデザインだなあと……。
またアラバスターと言う素材が好きです。光に透けて……。
(しかしこれじゃ分かりづらいですよね画像……。二本の角はつながっていて、耳のあたりに穴が開いていました。蓋もあったなあ)
大き目のだと
夫婦の像というのがきてました。
ちょっと欠けてるけど、全体のバランスがすごく美しいので
そういうものを集めてくれたんだなあという気がします、全体的に。
*
模型の船
2つきていましたが
これ、いいですよ
まず、葬儀の様子を描いたパピルスを見てから、この船を見たんですが
ミイラが運ばれていて、その前に牛が一頭。何か飲むか食べるかしてますね。
これは、死者に捧げる供物になる牛さんですね……。
葬儀のあとにはどんちゃん騒ぎが待ってるんだろうか……。
この、
ミイラの後ろ、棺(?)の前の棒は
何かはっきりしないが、呪術的な理由があったのではとのこと。
牛さんの皮でも吊るすでしょうか……(まったくの想像です)
*
個人的に一番hitだったのは
ファイアンス製のネックレスですね。
(すみません、貴石類が中心のものであるため、「ファイアンス製」とは言わないそうです。
ご指摘ありがとうございました!)
ネックレス類は、どれも見甲斐があるものでしたが
(と言うか、やっぱり全体的に、目で見て美しいものを選んでいるような気がします)
たくさんの色を使いながら、うるさくなく、
エジプトらしさを感じるこのネックレスは本当に素敵でした。
あまり色が多いと、どうしてもチラチラして、まとまりなくなるじゃないですか。
それが、エジプトの装飾は(全部とは言いませんが)ちがうんですね、
すばらしいバランスで、すべてが全体を生かしてる感じのものがあります。
これは、そういうものの一つだなあと……
すっかり、見入ってしまいました。
***
ところで、ですね。
上のネックレス、「そんなにキレイかな?」と思いませんか?
まあ、実物見ても、感覚それぞれ、お気に召さない方もいらっしゃるでしょうが、
この、写真。図録のものなんですが
ものすごく、ショックです。
画質が悪いのか(まあ悪いんですが)、バックの色が悪いのか(ありそう)
何でこんなに、色がうるさく見えるんだろうこの画像!
美術品って、写真写りで印象が変わること、多くないですか?
金属や透明感のあるものはもちろん、そうでなくても、光や周りの色、角度などで、大分違って見えますよね。
有名なツタンカーメンの遺物でも、写真によってまったく違う顔を見せてくれるなとよく思います。
しかしまあ、これは………
ちょっと、ひどいです……。
惚れたものなので、なおさら、こう、がっかり感が……。
さてここからは図録の話。
この図録、1200円くらいと非常に安いのですが、
酷いです。
何が酷いって、画像が酷い。
全部とは言いません。丁寧に撮っているものもあります。
ですが、ほとんどの画像が粗い。粗すぎる。カクカクしてる。
動画を切り貼りしたか、小さいものを無理やり拡大したようなものが半分は占めてます!
こんな図録、今まで手にしたことがないので……、
なんというか、
これは、ないだろう、と。
こんなに美しいものを、こんな画像で扱って、恥ずかしくないのか、と思います。
画像を処理した側に愛が感じられないです。酷い。
シャンポリオンのノートが目玉なのか、これを大きく数ページ扱ってますが
正直字が読めないのであまり意味を見出せません……。
なぜ、
他の美術品、
例えば護符一つ一つを、
ステラを
アラバスターの壷を
棺を
このように、細部まで分かるように大きく、丁寧に写したりしなかったんだろう!
レイアウトが斬新なのかもしれませんが、
展示したものの半分も、きちんと写していないし、
せっかく、生を目で見て感動したものを、図録で思い出し、より深く知ろうと思ったのに、
これじゃあ、あまり役に立たない……。
展示の雰囲気はいくらか伝わるかもしれませんが
場所や様子が違うし……
それより一つ一つを丁寧に見たかったよ……。
ただ、
図録の説明は、
(前述のとおり、展示室内に説明として加えられていましたが)
とても詳しく、一つのものをより深く掘り下げ、見る人へ「視点」を与えてくれるもので、
すばらしいなと、思いました。 勉強になるなと。
だからこそ、もったいないと言うか……
ど う し て こ う な っ た
うーん、残念です。
時間がなかったのか。
不思議です。
訳に不備があるとのことで
訂正の紙が入ってましたが
中野先生、とても厳しいです……私が添削されてる気分でした(笑)
でも、誤訳してる部分もあったし、
なにより、やはり表現は統一(出来るだけ)した方が、分かりやすいですよね!
う、私も、頑張らなくては……。
**
最後に
図録に突っ込み
これはマアトじゃないwww
アンハイの死者の書の挿絵の一部で、女神官アンハイその人。
だってマアト様こんなにごちゃ飾りしないし……
何より、こういうヒダのある流行服を、神様は着ないのですよね。
行ってきましたよ!
2時からの記念講演を、展示を見てから聞きたいと思って、
12時半には見始めたんですけど、
間に合わなくて、講演後にも見直しました。
講演で説明がありましたが、
この、トリノ・エジプト博物館には、館長のスキアパレリが発掘したものが多くあって、
彼が発掘した未盗掘の『カーの墓』の埋葬品は、特別室を作って展示しているそうです。
見たかったけど、条例で国から出せないのでは、仕方がないですね(涙)。
布とかももちろん、椅子もたくさんあったそうです。
今回の展示会には、デル・エル・メディナ(王家の谷で働いていた職人たちの町。発音はディール・アル・マディーナ「町の修道院」。古代エジプトではセト・マアト・ヘル・アメンテト・ウアセト「テーベの西の真理の場」)で見つかったものが多くあったみたいで。
アメンヘテプ1世とその母、イアフメス・ネフェルトイリの彫像や図像が多いんですよね。
この二人は、職人たちの守護神だったようですよ。
でも、神格化されたのはアメンヘテプ1世の没後……19王朝になってからで、
これらの像は、アメンヘテプ1世の時代(18王朝初期)には見られなかった、カルトゥーシュの前に「王冠の主」の称号がつくことで分かるのだとか。
(図録にそう書いてありました)
こういう、ちょっとした豆知識的な話を、講演でいくつか聞いてきました。
第22王朝の棺には、胸に赤い紐(ベルト)が交差して描かれている、とか。
像の椅子側面などに描かれたセマ・タウイについてはもっとおもしろくて、
セマ・タウイって、上下エジプトの統一を表した、パピルス(下エジプト。北)とロータス(上エジプト。南)が結ばれた絵ですよね。
それが、そのまま像の向きを表してる、というんです。
たとえばこの展示会の目玉である『アメン神とツタンカーメンの像』では、
アメン神の椅子(左側面)にセマ・タウイが描かれていて、右(顔のあるほう)にパピルス、左(背のあるほう)にロータスがありますから、
この像は、北を向いて建てられていた、と。
特にびっくりしたのは、南を向いて置かれた像の、正面の台に、ロータス同士を結んだセマ・タウイが描かれて、その像の背にパピルスが描かれている、そういうものもある、と。
いやあ、セマ・タウイって、必ずパピルスとロータスの二種を結んであると思っていました……。
アメン神とツタンカーメンの像は、
北を向いていた、ということは、カルナク神殿の北のほうは神殿奥になるので、ルクソール神殿のほうに置かれて、カルナク神殿のほうを向いていた、と考えられるそうですよ。
そんなことまで分かるんですね。
そういえば、
カルナク神殿とルクソール神殿が、
王家の谷・王妃の谷と対になってるなんて、気づかなかったです。
今は、谷に入る前にカメラを撮られちゃうそうですよ。
でもケータイは持っていっていいとか。
だからって写メ取らないように、って言ってました(笑)。
その他、トリビア的なネタで、
エジプト王で初めてピアスの穴を開けたのはトトメス4世だとか(ミイラを見たら分かる)、
アンモナイトは、あの渦巻きがアメン神の聖獣(くるっと回った角を持つ牡羊)の角とよく似ているから、アメン神の名前をとってつけられた、とか(名前をつけた本人がそういってるらしい)
アマルナ美術は、今までのような方眼を用いた絵の描き方を徹底していなかったために、上半身が大きくて短足なものが多い、とか。
ツタンカーメンの墓の壁画もまさにそれなんだとか(言われてみれば、きれいだけどバランスが悪い!)。
今回の展示の、ステラの一つにも、そういうのがあったようです。
あ、あと、びっくりしたが、
このステラに見られるような、服を茶色に染めている絵は、
実は茶色だったのではなく、卵か何かで光沢を表現していたのが、
変色してしまって、ああなったのだとか。
この茶色い色の表現、アニのパピルスにも見られたと思うんですけど、
模様じゃなかったのかあ……(白のほうが好きなのでスルーしてました)。
何でこの部分だけ光沢させてたんだろう。
亜麻布って、薄く織ると光沢を帯びるのかな。
ほかにも、
エジプト人にとって右は重要だった、というのを、
「王の右の扇持ち」という称号が重要な地位にあった人に与えられた、というものから説明されて。
右は西。西日は強かったから、それをさえぎる仕事は重要なものだった、と。
それが、日本の京都が「西=右京」となってるのと同じだ、とおっしゃってました。
いや、日本のほうが知らなかった(笑)。
これよりも、祭りに担ぐみこし(聖船の神輿)を、日本語だとうまく訳せる(英語だと「mobile shrine移動式祠」)というほうが、ああ、日本人だから得なこともあるかも、と思えました(笑)。
あ、もうひとつ。
エジプトのレリーフは浅いので、写真を撮ろうとしたら、ちょうど斜めに光が差す時間でないと綺麗に撮れない、とか。
知ってると、旅行に行くときいいですよね。
***
さて。
自分的な、エジプト展の楽しみ方は、
神様の図像や、ヒエログリフを探すことです。
辿ってるときりがないくらいいっぱいありました……。
ちょっと勘違いをして、
ホルエムヘブを、あの軍人から王になった人と同じだと思ったり(トトメス4世に仕えた書記だった)、
カーエムワセトを、ラムセス2世の四番目の息子だと思ったり(今回来ていたのは、ラムセス3世の息子でした……ややこしい!)
この、ホルエムヘブの墓の入口は、
左にアヌビスと、ウプウアウトの名前があって。右はオシリスと、……端はなんだろう??
プタハ神はもう、口元がかわいくて。大好きです!
ピンセットの構造に感心したり。
第一中間期ごろの枕には、棒がいっぱい刺さっててびっくりしたし。
エジプトらしい椅子(こういうのって意外に来なくないですか?)に興味をもったり。
で、イビの棺。
サイトを見たとき、綺麗だなあとは思ったんですけど、
もう本当に、機械的と思えるほどの整いようですよね。
神様の絵や名前が結構あったので、頑張って探したんですけど、
この隼頭の神(右側、下から二番目の枠)が、「ホル・ケンティエンイルティ」ではないかとっ……。
その後ろはトトでいいのかな。
それから、タバクエンコンスの人型棺。
これは本当に、美しくって。
でも、個人的には、棺の側面がすごく魅力的でした。どうして図録には、これが載ってないんだろう。もったいない!
棺に、ヌトを持ち上げるシューの図があったりするんですね。他のは、死者の書のシーンでよく見るから、なんとなく分かるんですけど。
この棺は、底の女神の絵(特に髪のあたり)も美しくて。すごく見甲斐がありました。
内蓋の、足元のほうに、
ホルスの四人の息子たちが、人型で描かれてるなあと思ったら……、
ハピが二人いて、ドゥアムテフがいなかった!
こういうことって、結構あるのかな。
末期王朝時代の死者の書は、
右端の、アヌビス神につれられてオシリス神のところへ行く図が、
なんだか、いやいや引きずられてるみたいに見えたり(笑)
アヌビス:「ほら、こっちだって。早く来いったら」
死者 :「い、いやいやいやそんな、わたくしなんかそんな……」
みたいな。
二つの真理の間、には、マアト女神が二人いるし。
その上は、線だけ引いていて空欄。書く時間がなかったんでしょうか。
あと、じつは、
中王国時代の棺が一つ来ていたのが、すごくうれしかったです。
これ、内部にもしっかり装飾してあって。
底には何もないですが、蓋の裏側にも装飾があります。
表みたいになっていて、星の図がたくさん書かれているので、
これは、イアン・ショー『一冊でわかる古代エジプト』p79にあった「星時計」ってやつなのかな、と。
こういうの見るの初めてで。すげーとか思ってました。
この本によると、
<ハルコ・ウィレムズによると>中王国時代の棺の装飾には、いくつかの基本的な要素があるのであり(目、偽扉、オブジェクト・フリーズ(副葬品をかたどった装飾)、定型供養文、神々への祈祷、コフィン・テキスト、二本の道の書、星時計)
ということらしいので、星時計って、珍しくはないんでしょうか。
二本の道の書は無かったような……どうでしょう。
オブジェクト・フリーズは、外側にある供物台の上の供物や盾・弓などでしょうか?
中にも外にも、「イマアキイ……」の文とか、「ヘテプ・ディ・ネスウト」の文があったような。
西側の内の面には、供物の表がありました。
このあたりが、図録に載っていないのが残念です……。
個人の名前が特定できないですね、まだ……。
マア・ケルウの前が狙い目だって聞いたんですが、
イビの石棺でみても、上に確かに「ib」。ただ、下のほうの縦にある、マア・ケルウの前の「i・ba」とか……あ、これは関係ないのか。
難しいなあ。
図録(2300円)が
けっこう芸術的な写真の写し方をしているものもあったり、
でも、せっかくの棺の側面を写してくれてないとか、
すごく残念な部分も(涙)。
とにかく、今までで一番楽しめました!
知れば知るほど、面白くなりそうです……。
そういえば
出土地も時代もわかっていない、布が来てましたけど……。
あれ本当に、古代の布なんでしょうかっ……。
そうだというからには、似たようなものが他にも見つかっていたりするんでしょうか。
いやあ。ただの古タオルにしか見えなくて(笑)。
あと、近藤二郎先生、
「めがみ」を「じょしん」って言ってたなあ。
今の流行なのか、世代の差なのか。
早稲田の常識なのか、世の中の常識なのか。
「めがみ」のほうが慣れてるんだけどな。