古代エジプト関連限定ブログです! 宗教思想関連多め
●ベヘヌウ王妃のピラミッドテキスト詳細
http://www.talkingpyramids.com/deciphering-pyramid-texts-behenu/
(ウナス王のPTとの比較、写真資料、イラストあり)
ここで指摘されているとおり、
ベヘヌウの名前にカルトゥーシュはありません。王ではないからです。
それでも、彼女は王と同じように、「オシリス」の肩書きをつけられている、ということです。
前記事で、アレン氏が訳していたとおり、
これらは『供物の教義』で、北の壁に刻まれており、
一番上の段と、二段目の段は、「オシリス・ベヘヌウ」ではじまり、
「ホルスの目を受け取れ・・・」と続きます。
それが何列も繰り返されているようです。
行の下には、小さな四角に閉じられた供物の絵があり、
パン、ビール、ガチョウ、牛、果物、野菜、水などを描いています。
ウナス王のものと比べると、
綴りにいくつか変化があったり、セクションが変えられてはいるけれど、
ウナス王のものにとても近い、と。
(写真で比較されています)
アレン氏の『古代エジプトのピラミッドテキスト』を参考に、以下のように訳しています。
***
First Register (A):
…
[First four columns missing or badly damaged]
(初めの4行は失われたか、酷く損傷している)
…Utterance 82 (W55)
呪文82(ウナス55)Thoth, get him with it.
He has come forth to him with Horus’s eye. – The Offering Tableトトよ、彼にそれを与えよ。
彼はホルスの目を持って前に進み来る。-供物台Utterance 83 (W56)
Give him Horus’s eye, that he may become content with it. – Come with theKing’s offering彼にホルスの目を与えよ、それによって満足するために。-王の供物とともに来る。
Utterance 84 (W57)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye, with which he became content. – TheKing’s offering, twiceオシリス・ベヘヌウよ、ホルスの目を受け取れ、それによって満足するために。-王による供物。二度。
Utterance 85 (W58)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye and be content with it. – [Offeringdamaged](上と同じ、供物は損傷)
Utterance 86 (W59)
Cause it to revert to you. Sit down, Be silent: the King’sinvocation –[Offering damaged]それはあなたにたち帰る。座れ、静かに。王のsinvocation??(供物は損傷)
Utterance 87 (W60)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye, ….オシリス・ベヘヌウよ、ホルスの目を受け取れ……
…
[Remaining columns missing or badly damaged]
(残りの行はなくなったか、酷く損傷している)
…Second Register (B):
…
[Missing the top half of the first four columns]
(はじめの4行の上半分は失われている)
…Utterance 166 (W128)
[Osiris Behenu, accept Horus's eye,] which they have licked. – Two bowls of sidder-fruit
[オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、]彼らを打ち負かしたもの-二盛のsidder?フルーツUtterance 167 (W129)
[Osiris Behenu, open your eyes ] and see with them! – Two bowls of sidder-bread
[〃]そしてそれ(両目)で見よ!-二盛のsidderパンUtterance 168 (W130)
[Osiris Behenu, accept Horus's eye:] prevent him from netting it – Two bowlsof carob beans
[-]捕らえられるのを妨げるもの-二盛のイナゴマメUtterance 169 (W131)
[Osiris Behenu, accept Horus's sweet eye,] return it to yourself – Two bowlsof every kind of sweet stalk
[-]それをあなた自身に戻せ。-二盛のあらゆる種類の甘い蔓Utterance 170 (W132)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye: allot it to yourself. – A bowl of every kindof young plant
オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、それをあなた自身にあてがえ-一盛のあらゆる種類の若い植物Utterance 171 (W133)
Osiris Behenu, may what you have endure for you with you. – Dedicating theOffering
オシリス・ベヘヌウ あなたのためにあなたとともに持続するだろうもの(?)-供物をささげること。Second Register (C):
Utterance 108 (W70)
Osiris Behenu, gather to yourself the water that is in it. – Two bowls of water
オシリス・ベヘヌウ、あなた自身のためその中の水を集めよ-二杯の水Utterance 109 (W71)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye, which cleaned his mouth – Two bowls of cleansing natron
オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、彼の口を清めるもの-二盛の洗浄ナトロン
Utterance 110 (W72)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye; gather it to your mouth – The “Mouth-washing” (meal): one loaf of bread, one jug (of beer)
オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、それをあなたの口に集めよ-「口を洗うもの」(肉)、一塊のパン、一杯(のビール)Utterance 111 (W73)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye, which Seth trampled. – Two loaves of“trampled” bread
オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、セトに踏み潰されたものを-二塊の「踏みつけられた」パンUtterance 112 (W74)
Osiris Behenu, accept Horus’s eye, which he pulled out. – One bowl of “pulled” bread
オシリス・ネヘヌウ、ホルスの目を受け取れ、引き抜かれたもの。-一盛の「引き抜かれた」パンUtterance 113 (W75)
Osiris Behenu………
[Remaining columns missing or badly damaged]
(残りの行はなくなったか、酷く損傷している)
***
また、別の壁は
石棺のそばにあり、復旧が必要なようです。
●第6王朝の王妃ベヘヌウの埋葬室
(2010.3.3)
http://drhawass.com/blog/press-release-burial-chamber-queen-behenu-discovered
***
サッカラのフランス調査隊が王妃ベヘヌウの埋葬室を発見しました。
しかし彼女がペピ1世の妻か、それともペピ2世の妻であったのかは、まだはっきりしていません(どちらも第6王朝の統治者)。
この埋葬室は、調査隊が南サッカラのエル=シャワフ地域にあるベヘヌウのピラミッド(ペピ1世のピラミッドの西にある)の砂を清掃していたときに見つかったものです。
埋葬室は、ピラミッドテキストの刻まれている二つの内壁を除いて、ひどく破壊されている、とハワス氏は加えました。
ピラミッドテキストは、第5,6王朝(紀元前2465-2150)の王家の墓に広く用いられたもので、はじめに見つかったのは、サッカラのウナス王のピラミッド(第5王朝最後の王)の内部からでした。
ピラミッドテキストは王の遺物を保護し、死後その肉体をよみがえらせ、天に昇るのを助けることに関する呪文で構成された、宗教テキストです。
呪文は死後王が通るとされるすべての道に描かれます。傾斜路、階段、はしごにいたるまで、そして最も重要なことには、続き階段にも描かれたということです。(すみません、続き階段flightがどういう部分かわからなかったです)
呪文は助けの神々を呼び出すことにも使われ、彼らが応じない場合脅すようなことさえ書かれていました。
調査隊の代表であるフィリップ・コロンバート博士は、
埋葬室の更なる発掘によって石棺にたどり着いたといいます。
「それは保存状態の良好な、花崗岩の石棺で、王妃の異なった肩書きが見られますが、彼女の夫については何も知らせてくれません」
フランスの調査隊はサッカラのペピ1世の埋葬地帯で作業しており、2007年に25メートルのベヘヌウのピラミッドとピラミッドテキストの破片を発見していました。
ここでは1989年より合計7つの王妃のピラミッド(ペピ1世および2世の)が発見されています。
それらのピラミッドは、Inenek, Nubunet, Meretites II, Ankhespepy III, Mihaと、あとはっきり誰か分かっていない王妃のものと考えられています。
◇
http://news.yahoo.com/s/ap/20100303/ap_on_re_mi_ea/ml_egypt_antiquities
"We are excited because the texts are well conserved," he told The Associated Press, adding that the queen's titles were written on the walls of the 33 by 16 foot (10 meter by 5 meter) burial chamber inside her small pyramid.
「テキストがよく保存されているので、興奮しています」と(フィリップ・ロンバート博士は)AP通信に語りました。
また、彼女の小さなピラミッドの中にある埋葬室の、10×5メートルの壁に王妃の肩書きが書かれていると言い足しました。Collombert said the mission has worked in the area since 1988 and has unearthed seven pyramids belonging to queens from the dynasty, but this is only the second pyramid with religious texts on the walls.
コロンバートが言うには、
調査隊は1988年よりこの地域で作業をはじめ、この(第6)王朝に属する7つの王妃のピラミッドを発見しているが、
これはそのうち二つ目の、宗教テキストが壁に刻まれたピラミッドだ、ということです。
◇ベヘヌウ王妃のピラミッド・テキスト訳
http://news.discovery.com/archaeology/egyptian-queen-offered-bread-jug-of-beer-at-funeral.html
途中から訳します。
***
ディスカバリー・ニュースは
ピラミッドテキスト学者のtopの一人である、ジェームス・P・アレン氏、
ブラウン大学のエジプト学と古代西アジア研究の主任である氏に、新しく発見されたヒエログリフの翻訳を頼みました。
ジェームス・P・アレン、『古代エジプトのピラミッド・テキスト』の著者。
「写真は、供物の教義として知られるテキスト、常に古王国時代のピラミッドの埋葬室・北の壁に刻まれていたものを示しています。
この教義は、すべて二人称で記述されており、そのため、元は実際に、葬儀中に読経神官によって唱えられていたものでした。
供物の教義は、すばらしい食事の準備と提示に伴いました。
たとえば、ベヘヌウ王妃の場合、
唱えること:
オシリス・ベヘヌウ、ホルスの目を受け取れ
それを口に集めよ。
四度示す。
一塊のパンと一杯のビール。
供物は通常、『ホルスの目』と呼ばれていました。隼の神ホルスの目が敵であるセトによって奪われ、後に回復されたという神話に基づいています。
この教義は他のピラミッドからよく証明されているもので、私が見たところでは、ベヘヌウの文は新しいものを大して加えることがないでしょう。
しかし、ヒエログリフはとても綺麗に彫られているため、そこから、古王国時代にこのテキストがどう使われ、誰のために使われたのかを、知ることができるでしょう。」
******
2007年に発見されたピラミッド、でよかったんでしょうか。
石棺があった、というわりに、写真がなくて残念です。
●DNAチャートと家計図
★DNAチャート。
http://forum.egyptiandreams.co.uk/viewtopic.php?t=4854&sid=f44491159fbc7463d769a096afd09905
テュヤとユヤ(アメンヘテプ3世の正妃ティイの、両親)由来のものとか、
アメンヘテプ3世由来のものが、
色分けされている(左に一覧が)ので、よくよく見ると、なんとなーく分かる部分も。
テュヤとユヤは、お互い同じものを持ってないし、
アメンヘテプ3世も、この二人のは持ってない。
ティイ(KV35 the Elder Lady)は、テュヤとユヤのを持っていて、アメンヘテプ3世のを持っていない。
当たり前なんですけど、
こうしてみると、「なるほど、そうやって分かるのか!」と……。
いやあ、普通の親子関係なら、確かにこれではっきりしそうです。
というか、図がすごく分かりやすい……。
KV21の二つ以外は、テュヤとユヤの、さらにアメンヘテプ3世のを持ってるんですね。
KV21の二つは、テュヤのは持っているけど、ユヤのは持っていなくて……、しかもアメンヘテプ3世の持ってるやつを含んでる。
でもユヤのはここで見つからなかっただけかも、と。
少ないですものね、KV21の二つのミイラからのデータ。
ツタンカーメンの墓に収められていた胎児(父親はツタンカーメン)の母親が、
このKV21Aであるらしいです(この辺もちょっとよく分からないですが)。
それがとくに、このKV21Aをアンケセナーメンとする理由になってるわけですが、
でもよくよく見ると、
アクエンアテンとされている、KV55と「よく似て」いる(つまり、兄弟姉妹の関係のように見えて)、
KV55をはじめ、その姉妹で妻(ツタンカーメンの母)なKV35YL(the Younger Lady)、さらにツタンカーメン自身とも、けっこう、似た感じなんですよね。
どっちかっていうと、アクエンアテンの娘というより、アメンヘテプ3世の娘みたいに見えるなあ、と。
KV21Bも、それとよく似てる感じ。
といっても、とにかくデータがはっきりしないですから……。
★もうひとつ、家計図。
http://forum.egyptiandreams.co.uk/viewtopic.php?t=4855
こっちのか系図のほうが細かい気がしますが、
なんか……もうよく分かりません(笑)。
一番上あたりの、人物が少ないのについて、なんとなく「そうなのかな?」という程度です!
誰かわかる人のためにリンクしておこう、みたいな。
ネフェルティティがアイの娘という説、知らなかったです。
***
あと、
KV55=アクエンアテンというのは、
100%とはいえないようで、(論文では「アクエンアテンと思われる」と書いてあり、やはりスメンクカラーその他の可能性がある)
このあたりはまだまだ議論されそうです。
違ったら面白いと思ってます(笑)。
以上、みくしでいろいろ意見を聞きながら。
自分ひとりだと、こんな表見ても引いてしまうだけだったと思います。はい。感謝します。
素人なので、よくは分かりません。
知ってる方の意見を聞いて、学びたいと思っています。
***
いままでぽちっと拍手してくださった方、ありがとうございます!
すごく励まされてます。
マイペースですが、ぼちぼちやるです。
●続・ツタンカーメンDNA調査
ナショナルジオグラフィック・ニュース(日本語)より
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100217001&expand
DNA調査によれば彼女(注:ツタンカーメンの母親)はアメンホテップ3世とティイの娘で、夫アクエンアテンとは同父母の“きょうだい”にあたる。
なんと、父も母も同じきょうだいなんですか。
なんかこの辺、ごちゃごちゃしていて分かりづらいですが、
ティイはツタンカーメンのおばあちゃんで、
この「old Lady」といわれてる方なのですね。
髪ふっさふさの。
DNAの状態がかなり良い状態だったとか……。
家系図どこかで作ってないかな……。
あと、これですよね。
さらにツタンカーメンの父は“奇形のエジプト王”ではなかったこともわかった。豊かな腰と腹部、女性化乳房の特徴である胸部の隆起などアクエンアテンの像に見られる女性的な特徴は、遺伝性疾患のためであったとする説もこの研究で覆された。
医療用スキャナーを使いアクエンアテンの遺体を分析したが、そういう異常は見つからなかった。ハワス氏が率いる研究チームは、在位中に作られたアクエンアテン像に女性的な特徴があるのは宗教上の理由や政治的理由によるものと結論づけた。
遺伝性疾患ではなかったんですね。
「アクエンアテンは創造神アテン(男でも女でもない)に自らをなぞらえたため、ああいう、女性的な体系で描かれた」
という話なんですが、
当時の図像でああいう体型なのって、アクエンアテンだけじゃないですよね……?
王と王妃と子供たちの図とか、みんな同じ体型ですよ。
なんだか、全体的にあんな感じなイメージがあるんですが、美術様式が変わっただけとか、そういうふうには考えられないのでしょうか。
曲線の美に目覚めちゃったとかじゃないですかね~……。
本来ファラオは力強いのが良いとされていたのに、
アマルナ美術=写実的なら、実際多くの疾患を抱えていた王が、力強い感じでなく、痩せていて、それを隠さず表現してた、とか……。
美術なんで、作った(描いた・彫った)人は、その「型」の中で、自分のできる最高の美を表現するはずだから、
まったく同じでは、なかったでしょうが……。
もしくはその「型」が、男女差別をなくそう、みたいなものだったのかな。
いや、どっちでもいいんですが……
なんかしっくり来なくて。
とにかく、認識を改めます……!
●ツタンカーメンのDNA調査について
http://www.archaeology.org/online/features/tutdna/
***
by Mark Rose
ツタンカーメンの片方の足の骨の退化は非常に顕著です。
マラリヤの遺伝的証拠はツタンカーメンのミイラと他の三つで見つかっているそうです。
研究者は、骨の退化と骨折に、マラリヤが加わったことで、亡くなったのではないかと推測します。
いくつかの説は、ツタンカーメンが「虚弱であった」と示唆します。3、4月にのせた「戦士ツタンカーメン」説を正面から否定するそれは、少々過剰ではないかと思っています。
<虚弱というほどではないのでは、という考えでしょうか>
KV55墓からのミイラがアクエンアテン――多くの人々に、ツタンカーメンの父であると考えられている――だという認識の是認に、少々戸惑っています。なぜなら、そのミイラの推定死亡年齢が、歯学と骨解剖学上の評価によると、若すぎるからです。それは20丁度か、それよりほんの少し年上程度です。しかしアクエンアテンは30代半ばでなくてはならないと考えています。
この、KV55のミイラが、スメンクカラー――ツタンカーメンの兄弟の可能性のある――であるかどうか、DNAの結果に基づいて識別しているのかということについて、私にははっきりしないように思えます。(私はこの点についてプロジェクトのDNAの専門家にE-mailしました)
驚いたのは、KV35から見つかった「若い女性」と呼ばれるミイラが、ツタンカーメンの母らしい、といわれていることです。
多くの人々が、彼をアクエンアテンとネフェルティティの息子であると信じていました。<知らなかった……>
この認識は数年前、1999年にマリアンヌ・ルーバンによって示唆され、ジョアン・フレッチャーの著書『ネフェルティティを求めて』の中で、この論客は繰り返されました。フレッチャーの仕事には問題があったので、多くのエジプト学者たちがそれを拒絶しました。
その間に、SCA長官であったザヒ・ハワス博士がそれを、「純粋なフィクション」とレッテルを貼ったのです。詳細については、私の『ネフェルティティを求めて』のレビューを見てください。
彼らは、それ(ツタンカーメンの母)はキヤ――著名な第二王妃――であると言いたかったのだと思います。キヤが外国の姫であると言う人もいますが、ここディスカバリーのwebサイト上のツタンカーメンの家系図は、KV55のものと、KV35の若い女性のものは血縁関係にあると示唆しています、ですから・・・
KV35のミイラ「年上の女性」が王妃ティエ――ツタンカーメンの祖母――と識別されることは、そんなに予想外のことでもありませんでした。これは長く、その可能性が高いとされていたものです。
****
アクエンアテンのミイラとか……
スメンクカラーとか……
どうなってるんでしょうね。